「うわ!クダリさんびしょびしょ!」
「ん……っくしゅ、なみのりされちゃったー」
「あららー、この季節にそれは辛いですねぇ」
「うん、電車の中はあったかいから平気だったけどホーム寒くて死んじゃうかと思った。これ、ワイシャツがね、冷えてね、ぴたぴたくっつくの、すっごい寒いから!やってみる?」
「やりませんよ!はやく着替えて来て下さいよ、見てるだけで寒い」
「うん」
「やー!ちょっと!何でここで脱ぐんですか!更衣室行って下さい!」
「え、意外。撮っていいですかとか言われるかと思ったのに」
「え、撮っていいんですか」
「だめ」
「ほらやっぱり!ほらやっぱり!生殺しじゃないですかー!更衣室で着替えてきて下さいよ!」
「やぁだ、あっち行くの寒いしめんどくさい」
「めんどくさいとか言わない!だいたいクダリさん仮にも異性の前で生着替えとか恥ずかしくないんですか?」
「どうせ君だからべつにどうでも……」
「………まぁそうですね。よく考えたら私もクダリさんの前で着替えても恥ずかしくないや」
「いやそれはおかしい」
「だってもうぶっちゃけクダリさんとかノボリさんとか親兄弟みたいな感じだしー、今さら別に?みたいな?」
「なにそれ!ひどい!」
「特にクダリさんは母親っぽいし……」
「僕は君のお母さんじゃないよ!」
「そんなこたぁ知ってますよ!誰が上司を母親に持ってハァハァするもんですか!」
「逆切れ!?君が母親っぽいっていったんじゃん!」
「クダリさんはやく着替えてきたらどうですか?唇紫色ですけど。インフルとかかかったらどうするんですかぁーえんがちょー」
「僕が寝込んだら看病しにきてよ、ばっちり移してあげるから」
「ごめんこうむります、家でテレビ観ながら病気の回復祈ってあげますよ、頑張れクダリさん!」
「這ってでも君んち行ってインフル移してあげるよ」
「ハッ!クダリさんとお揃いのウイルス型に感染だとぉぉ………!?ちょっといいかも!」
「わぁ君きもちわるい。ていうかその時期に蔓延するウイルスって誰がかかっても大体同じ型なんじゃないの?よく知らないけど」
「どうでもいいですけどクダリさんはやく着替えてきたらどうですか?」
「あぁ、なんか君との長無駄話のせいでもうだいぶ乾いたからこのままでいいや」
「人のせいにしないで下さいよクダリさん」