「ちょーキレェェェェ…何この輝き!光をやわらかく跳ね返す表面!しかしあくまで硬質なするどさ!おぉう…」
「ん、あれ…君もう帰ってたの。おつかい終わったんだね。おかえり」
「ただいまです!お使いばっちりですよぉー、ちょっとフキヨセのジム入ったらあやうく壁に殺されかけましたけどね!」
「はっ?壁?」
「ええ、壁に…バーンって」
「あぁ、ぶつかったの!?あっはは、ばっかだねー君ってばそそっかしいんだから!」
「いえ、あれは私のせいじゃないですよ…クダリさんも言ってみればわかると思いますけど、あれは何か意図的なものを感じました…本気で殺しにかかってる。ほら、オデコ!見てください、たんこぶ!」
「そんなわけないじゃん、ジムだよ?何で挑戦者に危害加える必要があるの?あ、もしかして挑戦者じゃなかったからセキュリティが作動したとかそんなん?」
「あれはきっとまずトレーナーからしとめようって魂胆なんだと思いますね!」
「はい出ました被害妄想ー。もういいやその話…でさぁ、受け取ってきた?」
「ばっちりです!そこの机においてありますよ、羽どっさりです!やっぱ飛行タイプのジムリーダーさんは違いますねぇ。私なんて一枚一枚橋をかけずりまわって集めなきゃなんないのに」
「え、君羽集めなんてしてたの?」
「ノボリさんの命令でです!どうせ外で仕事サボるつもりなら羽でも拾ってらっしゃいって、前に。私は羽の使い方すら知りません!」
「あ、そう…」
「まったく人使いの荒い上司ですよねぇノボリさんは!ちょっとサボ…外の空気吸いにいこうとしただけだったんですよ?」
「うーん、確かに個人的な用事を君に押し付けたのはノボリのワガママだけどね…でも君も君だね!」
「ちぇ、クダリさんまでノボリさんのかた持っちゃって…ふんだ、仲がよろしいことで。双子ってこんなもんなの?・・・あ、でもあの人たちは仲が良いってかどっちかってーと張り合ってたなー」
「ん?誰のこと?」
「これをね、くれたおじさんがいたんです!」
「…きんのたま?」
「きれいでしょ!洞窟通り抜けてたら、たぶん双子だと思うんですけど・・・おじさんが二人立ってて。マナーかなって思って挨拶したらくれました!」
「え、それ不審者じゃないの…?」
「あぁやだやだこれだから…いいですかクダリさん、人のことそんな風に疑ってかかっちゃだめですよ?すごく親切な方たちだったんですから!ほら、実はふたつくれたんですきんのたま。弟よりすごいきんのたまだよー兄より立派なきんのたまだよーって!きっとどっちが人により喜んでもらえるかみたいな競争してたんですね!おっちゃめー」
「は…、セ、セクハラじゃん!捨てろ!!」
「あっ!?ちょっとクダリさんってばせっかくおじさんがくれたのに何てことするんですか!もう……よしよし痛かったでちゅねー」
「拾うな!頬ずりダメ!汚い!二重の意味で汚い!!」
「なっ何ですか頬すりしてないです!フリしただけです!」
「きんのたま欲しいなら今度僕があげるからそれ捨てなさい!そんなのよりもっと大きくて立派なの用意するからほらポイして!」
「あ、クダリさんおじさんと同じこと言ってる……張り合ってるんですか?」
「一緒にしないで!…ノボリー!ノボリどこ、ダストダス借りるよー!」
「えっ?なんでダストダス…」
「ダストダス!…それ、食べちゃって!ふたつともいいよ!」
「あー!?だっダストダスぅぅぅぅ!だめぇぇぇぇ!!」