「あ…あつい…」
「溶ける、これ僕溶けちゃう」
「コート脱いだらいいんじゃないですかね」
「ダメ、これ僕のポリシーだから」
「せめて帽子とるとか…」
「ダメ、両方そろってないとサブウェイマスターじゃない」
「ここギアステーションじゃないんだしいいんじゃないですか…うぅぅあっつ…」
「前そう思って私服で博物館行って骨ニヤニヤしてたらおまわりさん呼ばれたからだめ」
「ちょっと何言ってるかわかんないですね」
「僕普通の服着てると不審者に見えるんだって」
「はー?」
「でもサブウェイマスターのかっこしてると肩書きもわかるし廃人で変人って大目に見てもらえてなんとかかんとかーって言ってた気がする、おまわりさん」
「えーちょっと意味分かんないですけど」
「つまり」
「つまり?」
「僕はたとえヒートアイランド現象に屈したくなるような気温の時でもこのコートを脱いじゃいけないってそういうこ、」
「あ、順番来た。ヒウンアイス2つで!」
「ちょっと!聞いてた?」
「わーおいしそー。ありがとうございますー。…聞いてました、クダリさんは不審者」
「ちがっ…!あっ違うんです違うんです僕不審者じゃないよ、だから警察呼ばないで下さいその電話おろして下さい」
「わー不審者だー不審者だー」
「ば、帰るよ!」
「あっアイス落ちる!…っぶなー、クダリさんってば気をつけて下さいよね!」
「なんなの君」
「クダリさん、ついでだからヒウン観光してきませんかー?」
「え、でも午後からのお仕事間に合わなくなっちゃうよ」
「ノボリさんにはお腹痛かったから休んでたって言いましょう」
「そんなのすぐばれるに決まってるじゃん」
「ハ、クダリさん分かってませんねぇ…いいですか、性別♀はね、追及し辛い腹痛の理由には事欠かないんです!」
「は……?」
「せ」
「あ、もう分かったから口閉じてて」
「ふふん」
「でもサボりはダメ」
「けちー」
「ダメでーす」
「クダリさん最近ノボリさんみたいになってきてません?前は一緒にイタズラとかしてたのにー」
「誰かさんのおかげで僕も成長したってことだよ」
「やだー、お礼なんていいんですよ照れる」
「君のそのポジティブさどこから来るんだろうね?」
「クダリさんアイス垂れてますよ。舐めていいですか」
「よくないよ!」