「相談に乗って頂けますか?」
「あらら?どうしたんですかノボリさんが珍しい!私なんかで大丈夫ですか?」
「あなたに聞いて欲しいのです。あ、そのまま続けて下さって結構ですよ、耳だけ傾けて頂ければ」
「はぁ…」
「最近、ですね。動悸息切れ目眩に酷い焦燥感、そんなものに悩まされていましてね。ある方を見ると」
「ほほう」
「食欲もわかず、いつも心に閊えがあるようで」
「へぇ」
「しかしとても幸福な気分になったりもするのです」
「ふぅん…あ、それポン」
「感情の浮き沈みが激しく自分でもどうしたら良いのか…」
「カン!!」
「今も心臓がぎりぎりと痛いです」
「はいきたリーチ!!」
「…聞いてますか?」
「えっ?ああ、聞いてます聞いてます。動機息切れ神経衰弱、食欲減退心臓の痛み!」
「はい」
「分からないんですかノボリさん、自分で」
「……あの」
「人に名前を付けてもらわないと安心できない?自分の状態に自信が持てない?」
「それは」
「らしくないですよノボリさん。本当は分かってるんでしょう?」
「…ええ。わたくしはあなたが、」
「それはアレです、多分更年期障害です。ノボリさん」
「違いますよこのたわけが!!!」
「ギャー!?あぁぁぁぁ、せっかく私リーチかかってたのにー!!!」
「デンチュラ!シャンデラ!ダストダス!!この阿呆の相手などしなくて結構です!」
「えっそんな!その子たちいないと私遊び相手皆無なのにぃー!」
「うるさいです、口を閉じてなさい」
「なんですか、そんなにオッサン扱いに傷ついてたんですか?」
「オッ…!!」
「あーゴメンナサーイ、私まだぴっちぴちに若いんで更年期とかよく分かんないですー!ホホホ!シワも無いですしオーホホホ!!」
「脳に、が抜けてますよ」
「はー?脳にシワが無いって?バカって言いたいんですか?」
「そうですよ!」
「キィィノボリさんなんて口もとのシワに悩まされちゃえばいいんですぅぅぅ!更年期障害に悩まされてるって言いふらしてやる!膝の痛みが最近酷いって噂流してやる!」
「おやめなさい!違います!」
「ノボリさんのオッサン!オッサンー!!!」
「黙りなさい!!」