「おや。お疲れさまです」


「ん、ん……。………!?」


「ん?」


「!……!」


「…ん?何ですか?どうかなさいましたか?」


「ん、」


「え?……は?」


「………」


「…?何です?リップ?」


「…んー…、……!…!」


「ええと、リップをつけたらはみだした?」


「んー!!」


「あぁ、違いましたか?すみませんがもう一度お願いします。ええと…、リップが、はい、あー…、スティックのりだった、ですか?」


「ん!!」


「ば…!バカですか、あなた…!!…っふ」


「…………」


「あ、ああすみません、馬鹿にしてるわけでは」


「…んー?ん?」


「いえ違いますよ、バカと言ったのはつまり、言葉のあやのようなもので」


「んん…んー、んっんー」


「…すみませんが、何と言ってるのか分かりません」


「………」


「早く洗ってきたらどうですか?」


「んー…。ん。んんんんーん」


「はい?わたくしですか?」


「んーん、んんんんん」


「バカはあなたでしょう、わたくしを怒らせているのもあなたです」


「ん!?んーんんー??」


「何と言ってるかくらい大体わかります」


「んー?」


「さっきのは例外です」


「んー………」


「早く洗ってらっしゃいまし」


「んーんーん」


「あんまりくだらない事ばかりおっしゃっているとその口塞ぎますよ」


「んんんんんっんんーん」


「…そうでしたね、もう塞がってましたね…いえそうではなく」


「んー、んんんー」


「はい、いってらっしゃいまし。唇を傷めないように」


「んーん」






「…ノボリ、あれはないよ。あれはないよ」


「ク、ダリ!居たのですか!?」


「あれは無いよ…!!」


「なにがです!」


「その口塞ぎますよってノボリ…ノボリ…無い…」


「う、うるさいです!冗談に決まっているでしょう!」


「そりゃそうだよ本気だったら僕引いちゃうよ」


「あ…あたりまえじゃないですか」


「とれたー!!ノボリさん、口あきました!!あ、クダリさんお疲れさまです」


「おーよしよし、ノボリになんかされなかった?」


「何を言っているのですクダリ!」


「何かって?何もされてないですよ?」


「気を付けてね、クサい台詞に飲まれちゃだめだよ?」


「え?セリフ?何が?ノボリさん、クダリさんはどうしちゃったんですか?」


「知りません!」





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