「!!な、イケメン…!」


「あ、すいませんあのー」


「ハイッ!?何でしょうか、何かお困りですか!?」


「え、いや…シングルトレインての乗りたいんだけど、どこ行ったらいいですか」


「シングル…はい!こちらになります!ご案内しますね!」


「どうも」


「お客様、バトルサブウェイは初めてですね?」


「あ、ハイ」


「バトルサブウェイは勝ち抜き戦です。シングルトレイン、ダブルトレインは20連勝致しますと、当バトルサブウェイのボス、サブウェイマスターと戦うことになります!」


「…強い?」


「ええ、とても!」


「ふーん。………十万ボルトって知ってる?」


「……?はい、存じてますが」


「そ」


「…到着致しました。このホームからシングルトレインが発車いたします!どうぞ頑張ってくださいね!」


「どうも」








「クダリさぁぁぁん!!!!!」


「ぁ?ん?何、どうしたの?」


「聞いてくださいさっきイケメン金髪がシングル挑戦に来たんですぅぅ!!!」


「…来た?え、君シングルトレイン乗らないでしょ?」


「は?いや、さっきイケメンをシングルに案内したんです」


「ああ、そういうこと」


「それで、多分あの人結構強いと思うんです!なんかそんな気がするんです!しかもイケメンだったんです!!」


「君が注目してるのそれイケメンってとこだけだよね」


「お疲れ様です」


「あ、ノボリさん!」


「ノボリもお疲れー」


「おや二人ともこちらにいらしたのですか」


「ノボリさん、さっきシングルに強そうな人来てましたよ!」


「来てた?あなたはシングルトレインには」


「乗ってません!私はシングルトレインのトレーナーじゃありません!自分でわかってます!そうじゃなくて案内したんです、シングルトレインにその人を」


「ああ」


「無気力っぽいのにすっごい強そうで、しかも金髪で、イケメンでした!」


「あなたが注目してる所、それ」


「イケメンってとこだけでしょうって言いたいんでしょう?クダリさんと同じこと言うんですねノボリさんは」


「………」


「なんで睨むの、ノボリ」


「睨んでませんが」


「それでねノボリさん、きっとあの人ノボリさんのところまで行きますよ!」


「何故です?」


「なぜって…何かそんな感じしたんです、イケメンだし」


「イケメンだからって強いとは限らないじゃん」


「そうですよ」


「いや、何て言うんですか…なんか、オーラ?強いオーラ出てたんです!ゴゴゴって。無気力そうなのに溢れる自信と闘志…!やばいかっこいい!…まぁ突然十万ボルトとか言われてちょっと謎だったけどそれはそれでミステリアスでかっこいい!あ、十万ボルトが切り札なのかも!きゃー!どうしますか、ノボリさんより強いかも!」


「…………よっく分かんないなー。ねー、ノボリ?」


「ええ、分かりませんねクダリ。まずそんな男がわたくしまで辿りつけるかどうか…おや?」


「どした?」


「…シングルトレインに、挑戦者です。21戦目」


「えぇ!?あっあっきっとさっきの金髪イケメンです!!やっばい、強ーい!!!」


「…ふーん、結構早いじゃん」


「……いってまいります」


「クダリさんクダリさん、モニタールーム行きましょう!バトル観ましょう!ていうかイケメン観ましょう!」


「ハァ?……えーっと…」


「構いませんよクダリ。たまには観戦させるくらい、勉強になるでしょうから」


「どっちが勝つでしょうね、賭けますかクダリさん?」


「僕、」


「わたくしが勝つに決まっております」


「じしんかじょう、ですねノボリさん…じゃあクダリさん、ノボリさんに賭けて下さい、私イケメンに賭けます」


「何を?」


「ん?」


「何賭けるの?」


「んー…じゃあ負けた方が一日下僕になる、とかー…あ、やっぱやめ、ビレッジブリッジのサンドイッ」


「乗った。負けた方一日下僕ね」


「え、待っ、違います!サンドイッ」


「わたくしも賭けます、わたくしが勝つ方に」


「待って待ってちょっと!」


「勝つに決まってるでしょ?」


「当然です」


「いってらっしゃーい」


「ちょっとぉぉぉ!」


「五分で沈めてやりましょう」


「ノボリさぁぁん!……おいおいマジでか」


「君にいいこと教えてあげる!」


「ん?何ですか?」


「これなーんだ?」


「…モンスターボール?ですよ?」


「そー、中にいるのはダストダス!」


「ちょ…ノボリさんモンスターボール忘れてっちゃったんですか!?届けなきゃ!」


「んーん、ちゃんと3つ持ってったよ」


「え、でもここに…」


「ノボリね、スーパーシングルの手持ち連れてったみたい!」


「………は」


「よーしじゃあモニタールーム行こっか!バトル見たいでしょ?」


「え、待って待って待って…!」


「一日下僕、どうしよっかなー、どんな命令でも聞いてくれるんでしょ?ね、下僕!」


「まっまだ負けたって決まってないですもん!」


「あーそーだねそーだねバトル観に行こーねー」


「いッ…イケメンさん頑張ってー!!うわぁぁ!!!」


「あれー?ノボリ…もう終わっちゃったの?」


「えっ?…えっ?」


「ご機嫌いかがですか、下僕?」


「えっ」


「えー、今日でもう下僕にしちゃうのー?もったいなくない?明日一日にしよーよ」


「えっ?」


「ああそうですね、下僕だなんて言ってしまって申し訳ございませんでした、明日に致しましょうね」


「えっ」


「うん、今日はいつも通りにしてあげる!」


「えっ」


「あなたはさっきからそればかりですね、まあ今日はわたくし機嫌が良いので許して差し上げますが」


「明日は僕たちの事呼ぶ時最後に”様”って付けてね!」


「………!」


「…っと!逃げようとしたってだーめ!」


「明日が楽しみですねぇ、クダリ?」


「そうだね、ノボリ!」


「…やっべぇ」





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