「何でトウコちゃんとトウヤくんは帽子かぶってるの?」
「ベルも被ってるわよー」
「あ、そっか。日射病対策なの?冬も?」
「そうじゃなくて、寝ぐせやばいから」
「…え?寝ぐせ?」
「旅にドライヤーとかもってけないだろ」
「そうそう」
「でも帽子かぶってりゃカッコつくじゃん」
「必須よね」
「じゃあチェレンくんは?何で帽子かぶってないの?」
「あいつ直毛ストレートだから寝ぐせつかない」
「サラッサラなのよ。羨ましいわホント」
「ノボリさ―ん。知ってましたか、観覧車ってあれ二人乗り専用だったんですよ…」
「存じておりますよ」
「え、知ってたんですか!何だ、じゃあ教えて下さいよ、さっき遊園地行ったらお連れさまとお越しくださいって門前払いされちゃいましたよ」
「勤務時間中に遊園地…ですか…!?」
「ちっ、違います!ちゃんと休憩時間中でした!」
「あぁ、そうですか」
「観覧車乗りたかったー…上空からのお花見したかった!そうだ、ノボリさん観覧車行きましょうよ一緒に!観覧車!」
「構いま…いけません」
「やっ…えっ!?なん、何で駄目なんですか!?」
「そ、それは…あの、わたくし、終電まで勤務なので」
「終電の後でもいいですから!ちょっとくらい付き合って下さいよー!あっチケットならもうありますよ?ホラ!」
「いけません!クダリを、あ、クダリは駄目です。トウヤ様…も駄目です。トウコ様を、トウコ様を誘ってくださいまし!」
「何で駄目なんですかぁぁ…!」
「…駄目なのです」
「…………まさかノボリさん高いところ怖いんですか?」
「!!」
「え、本当に怖いんですか!?高所恐怖症ですか!?かわいい!ノボリさん可愛い!」
「ち、がいます、そんなことあるはずがないでしょう」
「ギャップ可愛い!ノボリさんノボリさん、今度トウヤくんのレシラム借りてどこか行きましょう!そらをとびましょう!」
「絶対に嫌でございます!」
「あれれー、何で嫌なんですかー?チキンですか?ノボリさんはチキン野郎ですか?弱虫ですかー?うひゃ」
「お黙りなさい。ドリュウズのじしんを喰らいたいのでございますか?」
「うげっ、人に向かって技を出すのは良くないですよ!?」