「あったかくなってくると眠くなってきますよねー」
「君は年じゅう居眠りしてるけどねー」
「そ、それは言わないお約束ですよ」
「そんな約束してないよ」
「ねむーい」
「聞いてる?」
「コーヒー淹れましょうよコーヒー」
「誰が?」
「クダリさん」
「やだ、君がやってよ」
「クダリさんのコーヒーの方が美味しいです」
「同じだよ」
「クダリさんのコーヒーは世界一です、宇宙一です」
「…インスタントでいい?」
「はーい」
「…もー…君くらいのもんだよ、サブウェマスターにお茶くみさせるの」
「それは光栄ですなー」
「あれ、フィルターどこ?」
「インスタントじゃなかったんですか」
「やっぱこっちにする」
「棚の二番目あたりに…ありません?」
「んー…どこ?」
「えー?」
「ないよー」
「よく探して下さいよ」
「む…じゃあやーめた、インスタントにしちゃうから」
「どうぞどうぞ、一向に構いませんよ」
「…ふてぶてしい部下だなぁ」
「でも切り捨てたりしないんですよね」
「まぁねー」
「起きなさい、昼休みは終わりましたよ」
「…ハッ!?………………………あ、おはようございますノボリさん」
「しかめっ面で寝ているからどうしたのかと思いました」
「え、しかめっつらしてましたか私」
「眉間にしわがよっていました」
「ひぃぃ、アトが残ってませんように!」
「何か嫌な夢でも?」
「うーん…別段嫌な夢とかじゃなくって……、なんか、変な夢でした。リアルだったけど」
「そうですか。まぁいいです。…………はやく支度をなさいまし」
「おっと、すいません」