実力行使は卑怯です!






「さて、帰りましょうか」


「……何当然のようにわたしの腕掴んでるんですか?」


「え、なまえまだ帰らないの?」


「帰りますよ、わたしの家に」


「じゃあ問題ないね、さー帰ろうね僕らと一緒にね!」


「は?言葉通じてないんですか?」


「え、だってなまえも他人と同居は嫌でしょう?」


「突然なにー!?嫌ですよ!嫌だっていってるじゃないですか!だから放して下さいってば!」


「うんうんそーだよね、他人が家にいたら気を使うもん!」


「そうです!」


「だからわたくしたちがあなたのルームメイトになって差し上げようかと。わたくしたち他人ではございませんよね?」


「は?何でそうなるんですか?ていうかわたしルームメイトなんて募集してません」


「うん知ってる、だから僕が募集の広告出しといた。君んちの住所で」


「いやぁぁぁ何勝手なことしてくれてるんですかぁぁぁ!?」


「わたくしたち以外にも数件の応募がありましたがそのような不届きな輩からの連絡メールなど即座に削除いたしました」


「うんうん、なまえが知らない人と暮らすとかありえないじゃん馬鹿共め」


「馬鹿共はノボリさんとクダリさんです」


「しかしなまえ、あなたの家はほら、三人で住むには少々手狭でしょう?」


「独身用マンションなんだからそりゃそうですよ!」


「だからさー、君のマンションのあのフロア、君の部屋以外全部僕ら買い上げたから」


「………ん?」


「ぶちぬきもし放題でございます」


「やったねノボリ兄さん!」


「なんて?」


「やだもーなまえってば耳遠い!だからね、なまえと僕らでルームシェアしよ?ってこと!」


「ワンフロア使えば流石に3人でも広々ですよね」


「あー何か今日すっごく疲れちゃったなぁー!お先失礼しますね!」


「なまえったら!女の子ひとり夜に歩くの危ない!せっかく同居してるんだから一緒に帰ろうよ!ていうか今日ホテルだよなまえ!」


「は?ホテル?意味わかんないですお先失礼します女の子ならその辺でナンパしてくださいさよなら」


「ラブホじゃないよビジネスだよ。まぁ君がラブホ行きたいって言うなら喜んで連れてくけど。言ったじゃんブチ抜きするって」


「しばらく工事ですからね、家には入れませんよ」


「………………ほ?」


「あ、大丈夫!君の家具とかはちゃんと昼間の間に業者さんに頼んで運び出してもらった!」


「勝手に何してんですか…!?」


「だって工事って壁とか壊すんだよ?汚れちゃうじゃん」


「人の家を勝手にリフォームとかありえないんですけど!なん、え、ありえないんですけどぉぉ!!」


「いやですねぇわたくしたちとなまえの仲じゃないですか…あ、もちろん工事費用はわたくしたち持ちですから安心して下さいまし」


「そうそう。あ、なまえの部屋だったとこ、賃貸から分譲にしたからね。一括払いしといた。名義は君のままだけど」


「え?え?何?そんなこと出来るの?いや出来るのじゃなくて何してくれてるんですか?わたしの家……!」


「さぁ帰りましょう!帰ると言ってもしばらくはホテル住まいですが、仕方ないですよね」


「い、いやだぁぁ!」


「えぇー…ノボリ、なまえホテル嫌って言ってるよ」


「ふむ…ホテル嫌いでしたか。困りましたね」


「そうじゃねぇよ薄らトンカチどもめ……ですよ!」


「あーわかった、じゃあウィークリー借りよう。ホテルよりはゆっくり出来るでしょ」


「そうですね。そうしましょうか」


「もっもしもし!もしもし!助けて!しばらく泊めて!泊めっ……んぎゃ!ちょ、ライブキャスター返して下さい!」


「あ、ドーモこんばんは、すいませんこんな遅い時間になまえが電話かけちゃって…痴話喧嘩なので気にしないで下さい。うん、どうも」


「さ、帰りましょうか」


「お、おまわりさぁぁん!」






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