方向性が間違ってるんじゃない?






『バトルサブウェイご利用ありがとうございます。こにょ、この電車はギアステーション発、カナワ行きでございます。カナワからは折り返し運転となって…』

(あ、ノボリ噛んだ)

(ノボリさん噛んだ…)




「戻りましたよ!さぁ存分にどうぞ!」

「お疲れ様でーすノボリさん。どうぞって何がですか?あ、これ書類チェックお願いしますね。お茶淹れましょうか?」

「ノボリお疲れー。ちょっとまだ速いけど僕スーパーダブルスタンバイしてくるね」

「…………」

「ノボリさん?これお願いしますね…?置いときます」

「ノボリ、さっきシングルも挑戦者14両目突破したからそろそろ準備しといてねって言ってた」

「…………な、なんですかなんで何もおっしゃらないんです、何とか言って下さいよ恥ずかしいじゃないですか!」

「何がですか?」

「何が?」

「わ、わたくしがさっきアナウンス噛んだことでございます!インカム繋いであったのですから聞こえていたでしょう!」

「あーあれ……まぁちょっとめずらしいですけど誰でも噛んじゃうことくらいあるじゃないですかー。ねぇクダリさん」

「うんうん、別に僕たちそんなことで笑ったりしないよ」

「………失敗したことを誰にも触れてもらえないとそれはそれで恥ずかしいです!恥ずかしい!!」

「いやまぁちょっとわかりますけどほら、失敗って言うほどのことでも…ねぇ?」

「うーん、からかうにはちょっとパンチが足りないミスだよね!」

「……あ、じゃあ仕切り直してもう一回ノボリさんが入ってくるところからやりましょうか?」

「は?いえそれは結構でございます」

「やめてくださいそんなゴミを見るような目で見ないでノボリさん!癖になったらどうするんですか!」

「ノボリってば遠慮しなくっていいんだよ!ノボリがそんなに弄られたかったなら僕ら協力を惜しまないからね!」

「そういうわけではございません!結構です!おっ押さないで下さいまし!」

「はーいノボリさん出てって出てって」

「いくよー、あ、なまえもうすこし嫌らしく笑って。人の欠点をあらさがししてる奴がようやくお目当てのモノ探しあてたときみたいな顔して」

「何ですか!何故締めだされるのですか!結構です!リテイクは結構ですから!」

「どんな顔ですかソレ!ちょ、クダリさんお手本やって」

「………こぉんな感じに、笑う。キヒッ」

「うわぁ嫌らしい笑顔!見てて殴りたくなっちゃう!」

「開けて下さいまし!」

「あ、ハイどうぞ。もうドア開いてます」

「まったくもう、何なんですか…、」

「ノボリぃ〜……ププッ、噛んじゃったねぇ……??車内アナウンス、こにょ電車は〜だって……プププ」

「ノボリさぁん……うぷぷ、こにょ電車はぁー、ギアステーションはちゅー、かにゃわ行きでございまーしゅ………ぶっほ、あーははは、あひ、あひゃひゃはははは」

「な、そ、そんなには噛んでおりません…っ!」

「お客さんもアナウンス聞いてきっと笑ってたに違いないね…???」

「あーそうですね間違いなく笑ってたでしょうねぇ……ぷっ、こにょでんしゃ、ふふふ、くくくぷぷぷふふふ」

「あ、あなたたちしつこいですよ!」

「え?なぁにぃー?あにゃたたち?そう言った?なまえ、ノボリなんて言ってた?」

「あにゃたたちしちゅこいでしゅうって言ってましたぁー!」

「なっなっなっなっ、……………うっ」

「げっ」

「えっ」

「う、結構ですって言ってるのに、そんな、いっいじめではないですか…っ」

「わわわノボリ、違うよ違うよごめん、僕もなまえも悪乗りしちゃっただけだから、ねぇ泣かないで!」

「ぎゃひ、ごめんなさいノボリさん、違うんですよぅわたわたするノボリさんがほら、ちょっとギャップ萌えだったっていうか、いじめとかそういうんじゃないし、私もクダリさんもノボリさんのこと大好きですから!」

「そうだよぉノボリ、それにほら、これ僕ら本心じゃない、最初のがほんとだから、僕らアナウンスちょっと噛むとか別に気にしないから!」

「そうですそうです、わたしなんかアナウンスかけたら3回に1回は噛みますよ!ノボリさんはいっつもめっちゃなめらかにアナウンスしてるじゃないですか!ね!きゃーボスかっこいいー!」

「ふ、フン、当然です」

『ノボリさん、そろそろ発車しますんで21両目待機してください』

「あ、ほらノボリいかなきゃ」

「涙目だとお客さん心配しちゃいますから挑戦者来る前に目乾かして下さいね!」

「な、泣いてないですよ!行ってまいります!」

「行ってらっしゃい」

「頑張って下さぁい」

「………あーびっくりした」

「まさか泣いちゃうとは…ギリ涙目レベルで止まりましたけど」

「ノボリ意外とメンタル弱いからねぇ…」

「戻ってきたら優しくてあげましょう」

「いやでもあれもそもそもはノボリが弄って下さいましーって言ったからああなったんだよね。つまり僕らの優しさだよね。…あーお茶冷えちゃって」

「それはちょっと違うと思いますよ」

『スーパーダブル発車しますよー、クダリさん乗車しました?クダリさ―ん?』

「げっやばい、いかなきゃ」

「お茶飲んでる場合じゃなかったですね!いってらっしゃいご武運を!」

「ひー、えっとシビルドン……あれ、君もお茶飲んでる場合なの?」

「いってらっしゃいクダリさん!」

「もー!そのお茶飲んだら仕事してよね!」






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