その理想に近づく努力してるだけなんだって








「僕のタイプ?」


「はい!」


「さぁ……ノーマルとかでんきとかかなぁ」


「ちっがいます、好きなタイプのはなしです」


「あぁなんだ、そういうこと!どんな子でも好きだけどねー、やっぱむしとかはがねとか、でんきにー、ドラゴンにー、いわ、ひこう、ほのお、どく……」


「ノーン!違います!ポケモンじゃなくて人間のはなしです!」


「にんげん?女の子のタイプってことー?」


「そうです!クダリさんどんな人好きになるのか気になります、めっちゃ」


「えー……別に、なんだろー。好きになった人が好きなタイプになると思うけど」


「それを言っちゃあおしまいですよぉ……」


「しょうがないじゃん。思いつかないよ!」


「ノボリさんはー?好きなタイプとか居るんですか?」


「え……わ、わたくしですか?」


「ノボリの好きなタイプ…?あー、………フッ」


「え、なになにクダリさんなんで今にやってしたんですか!何か特殊なご趣味なんですかノボリさんは!」


「何もわたくし特殊な性癖など持っておりませんよなまえ!」


「やっだぁノボリさんってば、わたし今ご趣味って言ったんですよ、性癖だなんて言ってないです!きゃーへんたいー」


「んー……んふふ、ノボリねー、ノボリはえっちな子が好きだよねー?」


「なッ違います!」


「え?え?そうなんですかクダリさん!詳しく!」


「詳しくじゃありません黙りなさい!」


「そー、ノボリはね、無意識にえっちぃ子が好きなんだよー?」


「なにそれ特殊なご趣味!」


「撫でまわされたりとかするとね、表面上は怒るんだけどね、内心ばっくばくだからノボリ!んー、えっちっていうか、変態?が好き?」


「ちっちが、違いますから!」


「ヤダーノボリさんって超特殊ーぷぷぷ」


「ああやって真っ赤になってるけどね、あれ言い当てられて焦ってるだけ!むっつり!」


「やーんノボリさんのむっつりー!」


「で、君は?」


「え、何がです?」


「好きなタイプのはなしだよ」


「………」


「えー、わたしー……?私はー、うーん………ちょ、ノボリさん近いせまい」


「え?あぁ失礼」


「ノボリ……」


「何か」


「いいや何でもない」


「えーそうだなぁやっぱまず私より背が高くてー、手が大きくてー」


「………ふん」


「うんうん」


「えーと筋肉あって力あってー」


「ノボリ、イワパレスは持ち上がらないと思う、なにしてるの」


「………ッいいえ何も?」


「それからー、落ち着きがあってー、気配りやさんでー」


「コーヒー淹れてきますね。飲みますか?」


「え………あー、ありがとう」


「しっかりしててー、頼りがいあってー、んーと几帳面でー、記憶力は結構よくてー」


「なまえは砂糖53.25gでしたね?」


「うわノボリきもい」


「えっとえっと、紳士的で優しくて」


「あーなんかこの部屋寒いですねぇ特に女性には少し辛いに違いない、ええこれは空調をいれるのがいいですよ、ぽちっとな」


「ちょっとノボリうっさいよ独り言大きいよ!」


「………クダリさん、ノボリさんどうしたんですかね…?なんかちょっとキモ、じゃなくて変じゃないですか…?」


「ふふふふ、何だろうねー、君の話参考に女子ウケするキャラでも作ってんじゃないの、………プッ」


「まじですかノボリさんそんな人でしたっけ」


「あーうんまぁ、たまにはそういうこともあるんだよ、続けて続けて」


「え、あ、はい、あとはー、何だろう」


「なまえおやつくれる人好きだよね?」


「あ、はい大好きです!」


「なまえ、先ほど偶然にもお客様に頂いたキャラメルがあるのですがわたくしあまり甘いものは好まないので差し上げますね」


「ふお?ありがとうございます」


「それにさ、確かなまえは大人っぽい人が好きだよね?」


「えぇ、それはまぁ」


「ふたりともコーヒー入りましたよ、クダリはミルク入れますか?わたくしは当然ブラックで飲みますけど」


「わぁいコーヒー!ありがとうございますノボリさん!」


「あとさ、女の子はよく笑う人が好きだよね?仏頂面は怖いでしょ?」


「そうですねー」


「アッハハハこいつぁ傑作でございます!デンチュラのせいでんきでわたくしの髪の毛が総立ちに!ハハハぱりぱりしますブラボー!」


「でも馬鹿っぽいのは嫌だよね?」


「ですねぇ……」


「そもそも髪が逆立つという現象はですね帯電した髪の毛同士が反発し合ってこういうことになるわけでございましてね」


「花束とか渡されたらどう、ちょっとくらっときちゃう?」


「あーそれやばいです!ときめく!」


「あっそうでしたわたくし用事を思い出しました少々出かけてまいります」


「?いってらっしゃーい」


「いってらっしゃいノボリ」


「どこ行くんですかねー」


「さぁねー」


「休憩あと30分くらいしかないのに」


「ほっとけばいいよ。……でさぁ、正直どうなの?」


「何がですか?」


「好きなタイプだって」


「え、だからさっき言った感じの人です」


「えーそんなんみんな当てはまっちゃうじゃん、もっとさぁ、こういう人!ってのないの?」


「無いですねー、クダリさんだって好きになった人が好きなタイプになるって言ったじゃないですかぁ」


「まーそーだけどさぁ」


「……ッただいま戻りました!」


「あ、でもあれですねー、女子に好きなタイプとか聞いて気にしちゃうような女々しいのはちょっとね……」


「あれノボリ何、きれいなお花だね」


「……………あー……はい、えぇ、綺麗でしょう…?休憩室が殺風景なものですからハイ、飾るのもいいかと思って。ハハ……」


「へぇ、ノボリさんってお花好きだったんですか」


「ハハ………いえわたくしのダストダスがですね…花を飾ろうとうるさくてですね……」


「ノボリ、ダストダスは今僕のボールの中だけど」


「ハハハ何やら急にもよおしてまいりましたのでわたくし少々トイレに」


「はぁ」


「ドアばたんってしめないでね、うるさいから」


「何かノボリさんちょっと涙目じゃなかったですか?」


「目に花粉でも入ったんじゃないの?」








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