かれはあなたが好きみたいだよ!








「Hi!Are you なまえ?」
「………こんにちはー…?い、イエスあいむなまえ…」
「YOU なまえ!A-ha,I wanted see YOU soooo much!I'm Emmet,Please call me darling…」
「エメットぉぉぉぉぉ!!!」
「……あ、クダリさん」


鬼みたいな形相で全力疾走してきたクダリさんに、金パなクダリさんっぽい人はがっと襟首を掴まれた。なんだなんだ。「勝手にうろうろしちゃダメって言ったでしょ…!?」「ヘイクダリー、冷静になりなよ」あ、日本語。


「な、なにかされた?なまえ何もされなかった?大丈夫?」
「何かって、特になにも…」
「ほんと?キスされたり抱きつかれたり襲われたりしてない?」
「I'm not the kind of person who would do that, クダリ!」
「Shut your mouth!」
「…何かあったのですか?」
「あ、の、ノボリさぁぁん!大変です、クダリさんが何か大変、よくわかんないけど大変です!」
「若しやエメットが何ぞ失礼を致しましたか?」
「……ノボリさん、そちらの口調の堅い金髪さんはどちらさまで…」
「申し遅れました、ワタクシサブウェイボスのインゴと申します、以後お見知り置きを」
「よ、よろしくお願いしますなまえです!」
「It's time to stop you guys!」
「わぁんノボリさんまで英語はなしてる怖い!」
「なまえは英語が話せませんか?」
「はい、話せません!」
「あぁ、話せるのですか」
「えぇ!?話せないんですってば!」
「え?今ハイとおっしゃったではありませんか」
「え?あい、きゃんのっとスピーク、いんぐりっしゅ」
「oh…」


まぁイッシュで生きてくだけなら別に覚える必要もありませんよねぇと笑ってぽんと背中を軽く叩いてくれたインゴさん、なんかこの人いい人そうだぞ。クダリ、その辺で勘弁してあげて下さいと煙草の香りがする袖をひらひらさせて黒金パの彼はクダリさんに声をかけた。ていうかあれ、さっきの堅い口調どこいった。


「本当は休憩中にでも紹介しようと思っていたのですけど、まぁいいでしょう。なまえ、こちら海外支部サブウェイボスのインゴとエメットです」
「こんにちは!ボクエメットだよ!」
「インゴです、よろしくお願いします」
「こ、こんにちは…」
「あー、ソダ、なまえにこれあげるよー。僕の好きなロリポップだよー」
「ありがとうございますエメットさん大好きです!」


ぐるぐるうずまきの、いかにも着色料入ってますが何か?って感じがする綺麗なキャンディーをひょいと差し出された。エメットさんいい人だ!この飴のセンスはどうかと思うけど!「なァにクダリ、君も欲しい?どうぞ!」「いらない」いじっぱりだねクダリはーってけらけら笑いながらエメットさんはクダリさんに差し出していたキャンディも私にほいと渡した。エ、エメットさん超いい人……!


「ちょっと、僕んとこの部下に変なものあげないでよ」
「変じゃないよー美味しいよコレ」
「着色料食わせないで」
「んーシット?それ見苦しいよー?」
「お菓子が好きですか?ではなまえ、ワタクシもこれ、差し上げます」
「わぁ、ありがとうございます!これ何ですか?」
「チョコレートです。ヌガーが入ってて美味ですよ」
「ヌガーってなんですか!?」
「あー…ノボリ、日本語でヌガー、何ですか?」
「え、存じませんが…ヌガーはヌガーでよいのでは」
「クダリもキャンディ好きな癖に!」
「僕はそんなやばい色したもの食べないよ!」
「へー、ヌガーなんて初めて聞きました」
「こちらには無いのですか?」
「うっさいよイッシュのお菓子みんな茶色っぽくて可愛くないよ!」
「エメットあんなショッキングカラーで食欲沸くとかやばいんじゃないの!?」
「キャラメルならございますが…ヌガーはそう言えばあまり見ないですかね」
「おや、そうなのですか」
「カラフルなののどこが悪いのさ!」
「食べてみていいですか?」
「ええどうぞ、服につかないよう気を付けて下さいね」
「む、おいしー……んぐっ!?は、歯にくっつく!?」
「君んとこのはやりすぎなんだよ!」
「やかましいです!クダリ!静かにしなさい!」
「なんで僕だけ!?」


歯にすごいくっつくけどチョコレート美味しいしインゴさんいい人だし怒らないし賑やかだし楽しい。黒金パ・インゴさんは「もうひとつ欲しいですか?」とかごそごそコートのポケットを漁っている。餌付けされている気がしないでもない。


「インゴ、仕事中ですのであまり与えないで下さいまし」
「少し糖分摂るくらい構わないでしょう?はいどうぞなまえ」
「え、ちょ、流石に私でもそんなに食べれないですよ…!?」
「ねぇねぇなまえー、今度さァこっちに遊びおいで?」
「だめ!」
「なんでクダリが断るのさ、かんけーないジャン」
「ダメだよなまえ、エメットのとこいったら危ない!」
「クダリ、ボクのことなんだと思ってるの!」
「ナンパ野郎でしょ」
「ノー、違うよ!知らない女の子はナンパするけど知ってる女の子は取って食ったりしないよ!」
「嘘つくなよさっきなまえのことナンパしてたでしょ!」
「あれは挨拶してただけだモン、ねーなまえ?」
「え、えぇっとそうですねー…?」
「ホラ!」
「ダーリンとか言わせようとしてたじゃんスケコマシ!」
「スケコマシって褒め言葉?ありがとー」
「そんな感じの文脈じゃなかったじゃんねぇおい」


クダリさんとエメットさん仲悪いのかな、良すぎて喧嘩になってんのかもしれないけど、お互いガスガスど突き合いしてて痣出来たりしないんだろうか。インゴさんから貰ったチョコバーをがじがじと齧りながらふたりのやり取りを見守る。インゴさんとノボリさんはぼそぼそと何か話しこんでるけど聞き取れないし多分英語だからよくわからない。「なまえ!I think he has a crush on you!」「Shut the f**k up!」「You shut up!」べしっとクダリさんがエメットさんの延髄にチョップを落とした。クラッシュってなに、お前をぶっ潰すぜ的な感じかなぁ、なんかもうよくわかんないけど、ギアステーションは今日も平和です。








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