おてんばっこめ、外の世界に行きたいのかい








ナマエも、クダリも、わたくしも、すっかり情が移ってしまっているようですが。分かっているのです、もうすぐお別れです。わたくしたちではあなたたちを望むバトルに出してあげられないのです。そんな風に毛布にたいあたりしたって駄目ですよ。子どもの無邪気な闘争心と分かっているし、大人しくしているようしつけてから愛玩ポケモンとしてそばに置いておくこともできたけれど、…やっぱり駄目です。わたくしたちには既にパートナーがいるんですから。あなたたちを一番に考えて上げることが出来ないんです。どうか、どなたかの相棒として生きて、幸せになって下さい。


「ノーボリさーん?」

「はい?」

「ずーっとパソコン……目、疲れませんか?コーヒー淹れるんでちょっと休憩したらどうでしょー」

「あ、ありがとうございます…お願いします」

「パソコンだなんて珍しいですねー。なんかあったんですか?」

「貰い手をね、探していました」

「もらいて?何のですか?嫁の?」

「何言ってるんですかあなたは……あの子たちの、です」

「………貰い手かぁ」

「えぇ」

「よしよし、いいこ」

「…………やっぱりなかなかいませんね、引き取って下さる方というものは」

「……見つからなきゃいいのにな」

「どうしてですか?」

「そしたらずっと一緒に居られるじゃないですか。……いだっ」

「…バトル、したいんでしょうね。その子たちは」

「いたた、いったいってば、い゛っ………うー……ごめんね」







おてんばっこめ、外の世界に行きたいのかい








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