可愛いは正義
うーん。僕もノボリもこーいうのはきっちり管理してる方だ。ちゃんと計算してるから間違うはずない。うん。だからこれは多分僕の子じゃない。うん。…多分。どうだったっけ?あれ、やっぱり僕の子かな?いやでも、身に覚えがないから違うよね。うん!ちょっと怪しいけどこれはヨソの子だ!
「見て見てタマゴ拾ったー!」
「えっ!あ、クダリさん?クダリさんもタマゴ拾ったんですか?」
「え?も?もってどういうこと?」
「私も昨日タマゴ拾ったんですよー。電車の網棚に置いてあったんです!そのタマゴはどこに?」
「えっとね、この子は自動販売機の後ろにちょこんって置いてあった!あの場所で置き忘れってことはないだろうから、保護!」
「うーん…同一犯の犯行ですかね?」
「さーねー。君のその、拾ったタマゴは今どこにあるの?」
「仮眠室のお布団にノボリさんのヒトモシと寝かせてありますよー」
「そっか、じゃあ僕もこの子一緒に寝かせてあげていい?」
「もちろんですよ!ヒトモシによろしくねって言ってあげてくださいね!」
「オッケーオッケー。あ、そうだ、この間生まれたバチュルも一緒に寝かせてあげよー。おいでバチュル」
「えっバチュルとヒトモシのお昼寝…クダリさん、私も見たいです!」
「よしじゃあ仮眠室いこいこ」
「クダリさん、タマゴ見つけた時びっくりしましたよねー!私ちょっぴり絶句しちゃいました」
「んー、僕は最初『あれ?この子はひょっとして僕の子?』って思ったよ」
「なんかその言い方、ダメ男のようですよクダリさん…」
「ダメ男?なんで?」
「いえ……」
「はーいお布団だよー。ヒトモシ、このタマゴよろしくね。あとバチュルと仲良くしてね」
「うわぁ可愛いツーショット…!」
「はい風邪ひかないように毛布かけようねー」
「あークダリさん!私それやりたい!やりたいです!!」
可愛いは正義