うざいノボリさん







わたくしはどうしようもない自惚れ屋です。自覚しているのですがどうもその意識を変えることが出来ないのです。外を歩けば街に自分以上の美しい人間はいないと感じますし、えぇそうですね、クダリですか。あれもわたくしと同じにとても美しい。はい。いえそれで、わたくしのこの顔に、心奪われない女性はいらっしゃらないと思うのですよ。それが証拠にホラ、試しにあちらの方に微笑みかけてみましょうか。ね?どうです?真っ赤になって大層おかわいらしいじゃありませんか。どこの誰だか知りませんけど。あぁ、数瞬でも自分に向けられる人の好意というものはなんて心地いのでしょう!あなたも分かるでしょう?そうでしょう?好意、恋心、愛情、好意、好意、恋、愛、恋、わたくしの周りはなんと愛で満たされているのでしょうね!……自惚れ?えぇ、知っていますよ。それ、先ほどわたくしが申したではありませんか。自惚れです。はい。自信過剰とも言いますか。は?自意識過剰?…そうですね、それもあるかもしれません。はぁ、そうですか、鬱陶しいと。知りません。そんなこと言って、あなただってわたくしのこと嫌っては無いでしょう?嫌いじゃない?そうでしょう!えぇ!知っております!…え?大嫌い?はは…またそんな、ご冗談を……うざい?…な、なん……あ、あはは、そうか、あなたさてはわたくしが他の女性には笑いかけるのに自分には笑顔を向けてもらえないとかそんなことで拗ねていらっしゃるのでしょう?なんだ、あなたも女性らしいところがあるじゃないですか。ね、ナマエ、ほらわたくし笑ってますよ、嬉しいですか?惚れました?惚れてます?ッぐ、…ふふふふ、照れなくってもいいですからその手をどけなさい、ワイシャツにシワがよってしまうではありませんか。何です?わたくしがあまりにも格好良くって直視できなかったのですか?その眉間のシワは何ですか、服のと違って人体のシワはアイロンかけたり出来ないんですからその顔およしなさい。せっかくの美人が台無しですよ。…だからその顔を辞めろと言っているのです。笑いジワならまだしも女性が眉間にシワだなん……え?何です?あぁ、痛かったですか?それは失礼しました。あ、ちょっとこっちいらっしゃい。人通りが少ないとはいえあそこでは……来いと言っているでしょう?どうして意地張ってるんですか、わたくしの言う事を聞きなさい。抵抗したって無駄ですよ、わたくしそれなりに筋力には自信がございます。女の力でかなうわけがないでしょう。どうぞ、こちらへ。おや?息が乱れてますよ、さては興奮しました?ッツ……ひっかくことは無いでしょう…まぁ大して痛くもないですが。むしろ非常にそそられますね……は?強姦魔?何言ってるんです、和姦でしょう?ねぇナマエ。わたくしの何がそんなに気に入らないのですか!







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