約束が欲しいクダリさん







「ねぇ、僕のコイビトになって」

「…どうしたんですかクダリさん、いきなり…。熱でもあるんですか、体温計持って来ましょうか」

「話逸らしちゃ駄目。ねぇ、ナマエ」


僕は君に堂々と触れたいし抱きつきたいしキスしたい。すべらかな頬を撫でたり指を絡め合ったり髪を梳いたりしたい。用もなしにメールしたり電話したり、デートに誘ったり、したい。他の男と一緒にいる君を見て、嫉妬の出来る立場になりたい。だって、ねぇ、今の僕じゃ君にとってただのその辺にいるだけの男、でしょう。そんな奴から束縛されたって、鬱陶しいだけでしょう。嫉妬されたって迷惑なだけだよね。知ってる。
僕と君がいわゆるコイビトになったって、傍から見たらそんなに関係なんて変わんないかもしれない。でも僕は、僕にとっては、君の近くに居れる許可が、愛して貰える権利が、関係としての許可が、あるってことがとっても重要で、ああもう何が言いたかったんだっけ、ぐちゃぐちゃになってきた。だから要するに、君の横にいて当たり前な権利が欲しいのです。うん。そう。つまり結局は、


「ナマエ、お願い、僕の恋人になって下さい」


恋を請うだなんてまったく可笑しな話だ。









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