融和したいノボリさん







「もしナマエが、わたくしなど一滴で殺せてしまう毒薬であったとして、けれどわたくしは猛毒のあなたを躊躇いなく飲み干してこの胃に血液に細胞の隅々にあなたを融和させて死ぬでしょう。もしあなたが、たとえば、そう、キャベツだったとしたら、わたくしは一生キャベツだけを食べて生きていくくらいの偏食になるでしょうね。もしナマエが音という存在だったらならばわたくしはあなたが空気を震わせるその微動を感じる為だけに生きます。触覚痛覚味覚視覚なんて他はすべて要りません。そうだ、ナマエがもしも光であったなら、わたくしあなたを全身に浴びることができるのですね。あなたのあたたかさを受けてあなたの刺激を眼球で感じて、ああでもやっぱりあなたには抱きしめられるカタチでいてほしいです。ああそうか、もしナマエがポケモンだったなら、わたくしあなたを戦わせたりいたしません。個体値が限りなく底辺であろうとレベルが低かろうと、ボールになど入れずに常に大事に大事に抱き抱えてどこへだろうと連れて歩きます。それにもしあなたが物であったならば、そう、」


「ノボリさん、私は人間ですよ」


「わかっております」


「そうですか」


「あなたは結局人間ですから、所有物になったりはしませんから、」


「はい」


「だからただ傍に居て欲しかったのです、わたくしの」







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