…この子わかってないね。
少しでも僕から離れるようにナマエはぐいと横を向いた。確かにお互いの顔の距離は遠ざかった、けど、バカだなぁ。僕の目の前には生白いナマエの首筋から肩口が、『食べて食べて』とばかりに露出されている。これはもう据え膳だよね?ナマエ、もしかしてわざとやってるのかな。まさかねぇ。
いただきますと心の中で言ってぱくり、鎖骨の上あたりにかみついた。途端じたばた暴れ出すナマエ、でもぎゅっと押さえこんで身動きなんか取らせない。ついでに耳にも軽くかじりついてやったら、急にナマエの体から力が抜けた。あ、ナマエ耳弱いんだ。楽しい。調子に乗って音を立てるように甘噛みを交えつつ口づけていたら、ずるずるとナマエが壁伝いに座り込んでしまった。顔、真っ赤。しかも目が潤んでる。ちょっとやりすぎたかな。

「…クダリさんの、あほ」

覇気のない声で罵倒された。…喋ったね、ナマエ。ナマエの顔の両脇に手をついて押さえつけるようにキスした。



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