「あ、クダリせんせー!職員室にいるかと思ったらこんなとこに!何買ってるんですか?コーヒーとか?」


「んーん、アップルティー」

「くっ女子力高ぇ…」


「どうしたのナマエ、僕のこと探してた?何か質問?」

「んと、質問じゃないんですけど…」


「なぁに?」

「ちょっと催眠術を…」


「え?」

「やっぱ何でもないでーす!クダリせんせーさっきからすっごい良い匂いします!」


「え、何なの気になる」

「まぁまぁ細かい事気にすると禿げますよクダリせんせー」


「は、禿げ……ヤダ」

「で、で、このイイ匂い何ですか?何か香水とは違ーう。お菓子みたいな…」


「ああ、さっきノボリと話してたら女の子からクッキー貰ったの。化学準備室で。調理実習で作ったんだってさ」

「クッキー?」


「うん。食べる?」

「い、いー…りま、すん」


「あはは、それどっちー?」

「いりませーん」


「珍しいね、ノボリがナマエはくいしんぼだって言ってたのに」

「ぎゃ、ノボリせんせーったら何て事吹きこんでるんですか!ちょっとシャガせんせーにお茶を強いっただけなのに!」


「普通の生徒は準備室行ってお茶したりしないからねぇ」

「む…。あ、でもそのクッキーの子も準備室にいたんでしょう?えっと、シャガせんせーと、…ノボリせんせーと、一緒に、お茶飲んでたんじゃ」


「ううん、クッキー置いてすぐ出てっちゃった」

「ふぅん、そ、ですか」


「ノボリはクッキー貰わなかったよ」

「え、何でですか?」


「さぁね。僕分かんない」

「ふーん、そうですか。へぇ…」


「で、若いっていいなって思った。そんで今この瞬間にも思ってる」

「ん?どういう意味ですか?」


「べつにー。はいはいもう5時!暗くなる前に早く帰る、ナマエ!」

「えっ、あ、はい!さよならクダリせんせー!」


「うん、車に気をつけてねー」

「はぁい」







クダリ先生とクッキー






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