「…んぬん。キミは…いや、キミの目には…ひょっとしたら僕と違うものが見えてるのかもねー」
「え?なんですか?」
「いーや、気にしないで。続けて続けて」
「はーい」
「ところでそれは何を書いてるのかなー?」
「あの花瓶ですよ」
「へー…花瓶?」
「はい。え、あの花瓶を描くんですよね?」
「そーだよー。青い花瓶だよー」
「あ、よかった。間違ってるのかと思っちゃいましたよ!」
「あー…間違ってないの?」
「間違ってないじゃないですか」
「ぬぅ…キミ、これは何色?」
「オレンジ色」
「んうん…」
「私なんかまずかったですか?」
「いやー…とてもその…前衛的だと…思うよー?」
「えー、照れます!」
「…んぬん」
「(トウコ…ナマエのあれ何)」
「(知らないわよ!あの子の絵は最終的にいっつもまつぼっくりみたいになるじゃない!)」
「ナマエ、それまつぼっくりかい」
「N、正直にいうな!流石にナマエが可哀想だろ!」
「可哀想とかいっちゃ駄目トウヤ!」
「か、可哀想!?」
アーティ先生と美術