９
「馬鹿、と言われました」
「あぁうん、ノボリが馬鹿なのは僕も知ってるけど」
「どうしてナマエはわたくしをあれほど拒絶するのでしょうか……」
「ノボリだって知らない人から童貞下さい童貞下さいって言われたら嫌でしょ」
「相手が処女なら許しますしわたくしとナマエは知らない人同士ではございません」
「ノボリさぁ、女の子にとってセックスは性欲処理で済まないって理解すべきだと思うよ」
「わたくしにとってだって違いますよ」
「じゃあなんで処女よこせってナマエに言うの。ナマエの事が好きだから？」
「……………」
「…ナマエのこと好きなの？ノボリ」
「………ただ……ナマエが今までの女性と違ってなかなか落とせないから…」
「好きになっちゃった？」
「なってません、処女だから、ナマエが処女だから」
「ナマエ非処女だよ僕がもらっちゃったよ」
「…………は？」
「僕がもらっちゃったよ」
「つ、きあって、いるのです、か？」
「嘘だよ。僕ナマエに手なんか出してないよ」
「は……………………そう、そうですか」
「ノボリ。付き合ってるかどうかなんて気にしなかったくせに。処女かそうじゃないかだけにしか興味なかったくせに」
「…………」
「ナマエのこと好きなんじゃないの？」
「…違います、処女だからです」
「あっそ！意地っ張り」