「違うよクダリ、右手が赤だよ!」
「くっお、キツ…!」
「ハーイ次いきマスヨー…ヘイエメット、左足を青に」
「あっ無理、ムリムリムリねじ切れちゃうヨ!」
「出来るよエメット頑張って!」
「ナマエも、やってみたら、分かる、コレすっごくキツイんだヨー…!」
「さっきやったもん、全然平気だった!」
「エメットお前の体が堅いのですよ」
「インゴー!インゴ早くしてよ僕さっきから右手プルプルプルプルしてるんだよ!」
「オーゥ、左様か、では次イキマスネー………クダリ、左足を緑に」
「あ、あがぁぁぁぁ」

クダリがすごい体勢になってべしゃんと潰れたところでりんごんりんぎんとヒステリックなチャイムが鳴った。

「アン?誰ですこんな夜更けに…ハイ―今出ますヨー」
「クダリ!ナマエ!遅い!」
「げ、しまったノボリだ!」
「ナンダ―ノボリ?じゃあノボリも遊んでけば良いじゃん、おいでおいで」
「何してるんですかあなたたちは…!ミカンのおすそわけに一体何時間かかっているのです!」
「ゴメンネェ僕らがつい引きとめちゃったからサァ」
「そう、悪くないデスヨ。ノボリもやってきません?」
「なんですか…ツイスターゲームですか?これまた懐かしいものを」
「よしきたノボリ、ワタクシと勝負です」
「嫌ですむさくるしい」
「……実はワタクシ先日取引先のお客サマから旅行のおみやげにと葉巻を頂きましてね…ワタクシ煙は嗜まないものですからどうしようかと思っていたのですケレド」
「さあクダリ!はやくルーレットを回しなさい!わたくしの柔軟性、とくとご覧にいれましょう!」

ウイスキーの小瓶片手にゲラゲラ笑いながらルーレット回すクダリと、ばしんばしん両手を叩きながら馬鹿笑いしてるエメットはきっとふたりとも大分酔っ払っている。というか多分インゴもかなりお酒にやられてる。次々とクダリが出す指示に従い驚きの軟体っぷりを見せているノボリだけが素面なのだけれど、何も知らない人がこの光景を見たら十中八九ノボリも酔っ払いだと判断するだろう。点けっぱなしのテレビから流れてくるスタジオの華やかな笑い声なんかよりずっとこっちの方が愉快だ。がしぃ!ってわたしの首に腕をまわしてエメットがニコニコニヘラニヘラ笑っている。

「たのしーネッナマエ!そう思うでショ?」
「うん!」

じっと覗き込むような、って言っても私の方が非常に背が小さいので当たり前なのだが、そんな体勢でエメットが聞いてきた。そんなの聞くまでもない。わたしはお酒は飲めないけど、この人たちと一緒にいるだけでとても楽しい。
学校ではお酒は飲み過ぎに注意しないと危ないって習ったけど、どのくらいからが飲み過ぎなんだろう。クダリが4本目のワインのコルクをナイフで飛ばしてラッパした。うん、多分あれが無茶な飲み方ってやつだな。



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