久しぶりにリョーガと会った。
一応恋人という関係なのだけど、彼は一年のほぼ全てをアメリカで過ごしているため、一緒にいる期間はその半分もないと思う。
本当に付き合っているのか。 そう問われたら不安になる関係。
帰ってくるまでの長い間、一人で彼を待っているのは辛かった。 けれどアメリカから帰国すると、何故か実家ではなくわたしの家に帰ってくる。
それだけが救いだった。
(…いない。)
起きるとベッドに彼の姿はない。姿だけでなくケータイや財布など、彼の荷物はなくなっていた。
きっとアメリカに帰ったんだろう。 彼にアメリカへ行く、じゃなくて帰るという言葉を使うことに対しても慣れてしまった。
いつも何も言わず出ていって、何も言わずに帰ってくる。 また不安が続く日々が始まるのか。
“連れてって” いつだか言おうと思った言葉。
けれど彼には都合の良い女だとしか思われていない、そう考えて言うのをやめた。
そんな男もうやめた方がいい、最低だと友達には言われるけれど自分から別れを切り出すことは絶対にできなかった。
そんな最低な男でも好きなんだ。
別れる時は、わたしが捨てられる時。 そう心に決めた。
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