かわええ、な。
女ってみんな同じように見えるんやけどな。四子さんって分かってるからフィルターでもかかっとんのやろか。

視覚的にはそこらの女子とまったく変わらんのに、感覚的にはそこらの女子より可愛く思えた。


『あの…わたしはこれで、』

「待ちぃや。」

ええこと思い付いたわ。
ちょいとこの人のびっくりする顔が見たくなった。


『ま、まだ何か…?』

「アンタと付き合ったるわ。」

『…はい?』


「四子さんやろ?」

すっとぼけた顔。そんな顔好いとる人に晒してええんか、女子やろ。
百面相ってほんまに人間がやるもんなんや。
はぁ?訳分からんっちゅう顔から嘘やろ!って赤くなって、今は嘘やろ…って青くなっとる。顔で語ってるわ。


『なっなな、なんで知ってるん!?』

「俺、四子さんのファンやねん。しかもブログに分かりやすく書いてあったやん。」

気を付けた方がええで?
そう言うと彼女はその場にしゃがみこんだ。ぶつぶつ独り言唱え始めよったし。
他校の人は分からんかもしれへんけど、もし四天宝寺のやつがこのブログ読んだらすぐ分かるんとちゃうん?



『ず、ずっと知ってたん?いつから読んでるん?!』

「少なくとも、今年入ってからはずっと読んでたわ。」

『最悪や…!』
隠しとったのに、そう呟いた。
なんやねん俺が言いふらすん思っとるのやろか。
別に言いふらしてもええけど。

『ご、ごめんな…?気持ち悪かったよね。ブログにつらつらそんなこと書いてるしオタクなんかに告白されて…』

「そない困らんでも、俺アンタのファンや言うたやん。アンタの絵見て素敵や思うし気持ち悪いとは思わへん。言いふらしたりもせえへん。」


『ほ、ほんまに?』



「…まだ、やけどな。」

絶望に突き落とされたような顔。
っちゅうかアンタの絵が好きや言うとる時点で俺もオタクって気が付かへんのか?

まぁ、ええわ。


「これからよろしくたのんますわ、四子さん。」



今日から散々利用しまくったる。


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