にやにや。
今の目の前の男にはこの効果音がとてもよく似合う。

「たしかに、あの女の子たちが言っても白石は信じなか。…でも、俺が言ったら白石はどっちを信じるんかね?」


ほんっとに最悪。
聞く限りじゃ千歳千里という男は常にふらふらしている天然ボケかと思っていた。
人のこと言えないけれど、こんなに性格が悪いとは思っていなかった。


『できれば、言わないで欲しいんだけどな…?』

「部活の仲間が騙されてるのを黙って見るんはたいぎゃつらかぁ。」

そんなこと思ってもないくせに、むしろ楽しんでるじゃない!

「そんで、黙ってることに対して俺の利益は?」

『…パシリでも何でもやるわよ!』

「そっじゃ決まりたいね。」


こうしてわたしは千歳千里のパシリになった。




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