俺はあまり他人に干渉されるのを好まへん。そのせいで無意識に冷たくキツい態度をとっているらしい。別にかまへんけど。
例外もおるが、そのせいで俺の周りに人はいない。
…その例外は常におるけどな。
「…しつこいっすわ、ゆかりさん。」
『せっかく会いに来てあげたんだからもっと喜んでよー!』
年が1つ上のゆかり先輩。 例外っちゅうのはこの人のことや。
休み時間になると決まって俺の教室にやってくる。そんで好き勝手喋って休み時間が終わると帰っていく。
初めて会った日に「好きです!」と言われ勝手に付きまとっている。 おかげさまで散々クラスのやつらにからかわれることになった。
ま、たしかにしつこいんやけど 不思議と一緒におるんは嫌やない。
そういや腹へったわ。気が付いたらすでに授業は終わっていて、もう昼休みやった。 いつもやったらゆかりさんが馬鹿でかい声と共に来るから、すっかり忘れとった。
そういや何で今日は来ないねん。
「おーい財前!」
「うっさいわ、なんやねん」
「ホラ、お前の嫁さんがさっきな…」
「嫁って誰や。」
「分かっとるくせに素直やないなぁ。ってそんな話しにきたわけやあらへんねん。お前の嫁さん、さっき屋上に呼ばれとったで!」
俺は教室を飛び出す。
あれはきっと告白やな!とクラスのやつが笑ってる声を遠くに聞きながら階段をかけ上がった。
あぁ。いつのまにか、あんたのこと好きになってたみたいっすわ。
俺がこんなに構うのもあんただけや。
title/確かに恋だった
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