四子さんが四天宝寺っちゅうことが分かった。まさかのまさかや。 考えてみるとすごいことやな、憧れてたネットの世界の人がこの学校のどこかにおるんやで。
もしかして運命とちゃうん?
まぁだからと言って四子さんと付き合いたい訳やあらへんけどな。あくまでも、俺は俺の創作活動のお手伝いをしてもらいたいだけや。悪く言えば利用したいってことやけど。 絵描きさんがどれだけの労力使って絵を描いとるのか知らへんが、ここまできたら何としても描いてもらったる。
「な、なぁ財前くん!」
「…なん?」
っちゅーかコイツ誰や。 人が作業に必死なっとるところ邪魔しよってなんやねん。
仕方なく顔をあげると3人の女子が目に入った。
話しかけてきた真ん中のやつ、いかにもクラスを引っ張ろうとするめんどくさい系の女や。
左の女はなんつーかギャル系?よく分からんけど、目立つのが好きそうなやつ。うっすら化粧しとるわ。
『財前くん、真剣に何やっとるんかなって思ってん…。』
もっと声でかくてどキツい話し方するのかと思ったら、おそるおそる喋りかけてきよった。フッとそいつの手を見れば右手の中指にペンだこ。なんや外見だけ周りに合わせとる真面目ちゃんか。
右の女もまぁ似たような感じだった。
「ただケータイ弄っとるだけや。」
素っ気なく言い放つと、3人はその場を去った。
ちっ、余計な時間食ってもた。 新学期っちゅーと知らなかったやつに話しかけやすくなるって四子さんのリアル(ちょい前に更新)に書いてあった。だから早めに見つけてしまいたい。
SHRが始まる鐘がなるがそんなん気にせぇへん。 さらなる情報を探すために俺はまた四子さんのブログに目を通す。 まだまだ2年前の記事や。
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○月×日
テニス部のレギュラー、 Hくんに恋をしてしまいました。
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は、
…もしかして、俺か?
2年前やと中3やな、そん時のレギュラーで名前がHは俺しかおらへん。
っちゅーことは、だ。
このクラスに四子さんがおって、その四子さんは俺のことが好き。
…これは利用するしかあらへんな。
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