「あらあら清純くん、また背が伸びた?今日も一段とかっこいいわぁ。ゆかりをありがとうね!」

ニヤニヤへらへらしながら迎えに来た母。恥ずかしいからやめてほしい。

「いや、俺も遅くまで娘さんを連れ回しちゃってすみません。」

『連れ回したのわたしだけどね。』

紙袋は4対1くらいの割合でわたしの買い物。お年玉をほぼ使いきる思いきりのある買い物でした。
意外なのは男ってこういう買い物が嫌いなのと思ってた。ひたすら歩いてお店回って比べてはまた前のお店に戻って、わたしも自分の買い物じゃなかったら我慢できない。
それどころかわたしの好みの服をずばり探し当てて持ってくるから困る。選択肢がどんどん増えた。

「清純くん何食べたい?どこでも連れてっちゃうわよ!」

「んー、俺はゆかりちゃんが行きたいところがいいなぁ。」

『わたしパスタ。』

「あんたの食いたいモンなんか聞いてないわ!清純くんに聞いてんの!」

腹立つなマイ・マザー。

「じゃあパスタで。」

「ほんと清純くんは優しくていい子ねぇ。ゆかりにはもったいないわ。」

あたしの旦那さんになる?ってふざけんなあのババア。

「ゆかりこわい顔しないでよ、冗談に決まってるじゃない冗談。」
『分かってるよ。』

「とりあえず、あたしにじゃんけんで勝ったらパスタでいいわ。」
最初はぐー、と勝手に始める母を相手に嫌々と手を出す。あんたわたしに勝ったことないくせに。

「じゃんけんぽい!」
母はチョキ、わたしはパー。

『パスタ決定〜。』

わー嬉しいなーなんて棒読みで言いながら車に乗り込む。千石がドアを開けてくれた。千石も乗り込んで母もぶーたれながら乗って、わたしのお気に入りのパスタ屋に向かった。






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