(戦場で妄想中光秀)





痛みに叫ぶ声に何処からの爆発音、響き渡るは鋭利。摘み取る為のそれらを彩るあざやかなあざやかな朱朱、朱。
そんなとてもとても心地の良い景観の中心に居るわたし、その背後のひときわ芳しい気配がまた一つ分の朱を被って此方に目を向けた。(その鋭い視線で射殺されたらそれは至上の悦び と空想に耽っていたら彼の輪刀の餌食になる所だった)

「本日も随分と楽しそうですねえ」
「貴様がそれを言うか、我は貴様とは違うと言うに」

そう言い放つことは可笑しなことと感じるのですが、それが貴方の常套句だから仕方がないのでしょう。
(わたしには理解できますよその理性の下で必死に覆い隠される同族の醜く歪み逸したそれ が。)
と、以前同族を見つけた喜びのあまり不用意にそれを伝えてしまい本気で殺されかかったのが初対面であったことを思い出し、賢いわたしは決して口には出さず代わりに笑みを張り付ける事にする。
だって、きっと貴方はいま綺麗に笑っているでしょう?

「さて、次は如何に攻めるおつもりです」
「貴様の様な気違いが知らずともよい。貴様は黙して我の手足となっておれ」

感嘆、口になぞ出さずとも貴方はわたしの浅はかな思案など手に取るように分かるのでしょうね。またわたしに背中を向けた貴方はわたしの無礼にひどく腹を立てたご様子。けれどその感情こそが覆い隠す面を割る元凶だと気付くことはないのでしょう。
また一つ、また一つ一つと朱を増やす貴方の双眸は きっと



(わたしとおなじひとでなし)





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