牢獄の足音
?×ヒソカ









 こちらに近づいてくる気配がある。
 足音もきこえる。かなり静かな足音だ。
 現在、ヒソカの身体は自由を奪われている。両腕は頭上にある手枷に拘束され。眼には目隠し。口には轡。両脚は、棒の入った足枷をはめられているせいで閉じられなくなっている。
 そして、開いた股の奥――肛筒には、ディルドーを銜えさせられていた。
「ッ……ん」
 呻きが洩れた。
 性器に鈍い痛みが走ったからだ。押し当てられているものの正体が、来訪者の靴底であることは、目隠しをされていてもすぐにわかった。硬い靴底で、踏みつけられ、押され、擦られ、虐げられる。やがて、その鈍い痛みは屈折した快楽へ変質していった。
 しかし、射精はできない。
 彼の性器には黒革のペニスサックが巻かれているからだ。加えて、細長いスティックで尿道を塞がれている。
 逃げ場がない。
 追い詰められるところまで追い詰められて、嬲られているようだ。
 ふいに、目隠しが外された。来訪者の眸とぶつかる。汗で濡れた頬を撫でてくる手のひらは、冷たかった。




2012/12/30
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