真夜中の来訪者
ヒソカ×イルミ
「――二十人か」
「――今度は何したの、ヒソカ」
「ボクの客とは決まってない。キミの客かもしれないだろ」
ヒソカとイルミはモーテルのベッドの上にいた。
午前一時を過ぎている。
「心当たりがないんだけど」
「キミをゾルディック家の人間だと知ってるハンター……あるいは、商売敵の同業者かも」
そう言うと、ヒソカはイルミの白い首筋にキスをした。服の隙間から手を入れて、肌をまさぐる。
「えー……じゃあ、やっぱりオレが片付けるべきかな」
「いいよ。ボクがやる」
ヒソカは上体を起こして上着を脱ぐと、再びイルミに覆いかぶさった。
イルミが訊ねる。
「言ってることとやってることが矛盾してない? 続けるの?」
「もちろん。キミと繋がった状態でも戦えるよ」
「オレが嫌なんだけど。どうでもいい連中にこういうシーンを見られるの」
「死人に見られるのも嫌かい?」
「……てゆーか、いつになったら踏み込んでくるんだろう」
そのときだ。
隣の部屋から大きな音がした。ドアを蹴破った音だ。
直後、無数の発砲音。銃撃戦が始まったようだ。銃声、怒声、悲鳴、断末魔。ガラスが割れる音。
古くて薄い壁一枚隔てた殺しあい。
「――どうやら彼ら、お隣りさんに用があったみたいだねェ」
「ヒソカ、ちょっとがっかりしてるだろ」
2012/12/29