他人の空似
クロロ 女体化注意 性描写無し 高校生パラレル









「ワタシ、コレにするよ」
 フェイタンが選んだDVDは、二人組の若い男が謎の組織によって凄まじい拷問を受ける映画だ。
「スプラッターなら、オレは多人数がサクサクッと死んでくタイプが好きだな。たとえばコレとか」
 シャルナークが手にしたのは、もはやその手の映画のテンプレ、湖へキャンプに訪れた若者たちが謎の殺人鬼によって次々と惨殺されていく映画だ。
「そういえば、フィンクスは?」
 シャルナークの問いに、
「いつものとこね」
 と、フェイタンは答えた。
 レンタルDVDショップの最奥――ビビッドのきいたピンクカーテンの向こう側には、紳士の花園が広がっている。


 案の定、入口付近の新作コーナーに、彼の姿があった。なにやらパッケージを凝視している。スキだらけな背中。彼らしくない。
 シャルナークが後ろから声をかけた。
「何かいいのあった?」
「ウオオッ!? おどかすんじゃねェよ!!」
「こっちがビックリしたよ。てか、なんで後ろに隠したの?」
「別に隠したつも……あ! フェイタンこのやろっ」
「油断禁物ね」
 奪い取ったDVDのパッケージを見て、フェイタンが眉をひそめた。無言のまま、シャルナークに渡す。
「ん? ……ん゛ん?」
 パッケージの女優は、黒髪のショートヘアー。黒目がちで、どことなく幼さが残った顔立ちの色白美人だ。
「フィンクス……」
「な!? ち、違う! ちっとばかし団長に似てんなって思っただけで、別に借りようとか……そういうつもりはまったくないぞ!」
「お前団長に失礼。団長の方が、この女より顔小さいしパーツも整てるね」
「で、ほんとに借りなくていいの? “文系女子高生クロナちゃんのペット性活”」
「だから借りねーッつってンだろうが!」




2012/12/13
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