電話の声
ヒソカ×クロロ









「やあ。クロロなら、ボクとお楽しみ中だよ。代わろうか?」
 と、言うと、ヒソカはクロロの耳に、彼の携帯電話を押しあてた。クロロは今、自分の手で携帯電話を持つことができないからだ。
「ああ、オレだ。……チェスのことだ。……で、どうした……」
 クロロは正面を見据えながら、電話相手との会話を続けた。
 ヒソカはわらっていた。クロロの肛内に深々と埋まる彼の肉棒は膨らみ、脈打っている。
 通話中ずっと、クロロは排泄器官から無理矢理逆行する肉槍で腸粘膜を抉られ続けていた。肛環をこじ開けられ、腸内を掻き混ぜられ。危うく叫びかけた瞬間が何回かあったが、どれも怺えきった。ヒソカはきつく腰を打ち付けてくる。尻たぶと下腹、双方の鍛え抜かれた硬質な肌同士がぶつかり合う荒々しい音が、狭い密室の空気を震わせた。
 痛いし、苦しいし、恥ずかしいし、くやしい――そうした生身の感情を悟らせぬように、クロロは一方的な肛辱を受けながらも、平常の声で会話を続けた。


 電話は向こうから切ってくれた。
 伝えたいことは伝えられた。伝わっただろう。男としての面子を、現在進行形でズタズタにされている状況まで、悟られてしまっただろうが。電話の相手は、鈍くもなければウブでもないのだから。
 それでも、相手は動揺していた。平静を装っていたが、声音のわずかな違和感を、クロロは聞き逃さなかった。ひょっとすれば、犯されている当の本人よりも、感情の揺らぎは激しいものだったかもしれない。その動揺が、殺意に変わるか、失望に化けるか、それはクロロにもわからないことだ。
(あとは、ヒソカが満足するのが先か、オレの尻が使い物にならなくなるのが先か……)




2012/12/04
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