ONE PIECE [LONG] | ナノ


「残念だが嘘じゃない。お陰で余計な雑務はしてないし」
「"雑務"はね。それ以外にまだ置いとく理由があんだろ?.........そういう目だ」

置いとく理由...それは監視役だからってことには気付いてないらしい。
常識知らずで怖い者知らず、か。本人がそう言うってことはこの人自体が有名な誰か。しかも相当ヤバい人で...だけどそれを私が知らない。自分を知らない理由がまさか"別世界"から来た人間だからだってことを当然知らないし想像も出来てないんだろう。まあ、それこそ常識的に当然だけど。

「だとしても、それはてめェに関係ない」
「あァ、確かに」
「.........行くぞベレッタ」

クザンさん、怒ってる、みたい。
グイグイ手を引かれて私も一緒に歩き始めた。歩調が速い、握られてる手も痛い。

「"ベレッタ"」
「.........え?」

振り返った先、例のヤバい人が私を見てた。

『またな』

そう、口元が動いた気がしてゾッとした。
首を絞められてた時には必死すぎて気付かなかった恐怖が今頃になって私に襲い掛かって来て...思わずクザンさんの手を強く握った。

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