ONE PIECE [SMS] | ナノ

秘密裏の任務 (5/5)



朝、目を覚ましてシャワーを浴びて...適当に朝食を食べた後、ホテルをチェックアウトした。時間にはまだ余裕はあるけど寄り道はせず、ガレーラカンパニー本社へと乗り込んだ。勿論、何食わぬ顔で合格通知を持って。

受付嬢から笑顔で案内されたのは更衣室、準備された制服にとっとと着替えて私専用のロッカーに荷物を入れて鍵をする。制服はスーツだけど...何とも心許無い短いスカートにパンプスで恥ずかしくなる。海軍では靴は自由だったけどスカートは禁止されてたからなあ。

ある程度の準備を終えたらまた移動となる。パンプスだから少し歩きにくい。
受付嬢が事務室に行く前、業務内容の説明よりも前に立ち寄ると言ったのは...いいのか悪いのか一番ドッグ。多くの説明はまだ聞けそうもないけど、どうやらこのドッグ専用の事務に携わるらしい。

「ん?何だァそいつ」

会社と造船所が繋がる一つの扉。そこを開けば早朝にも関わらずすでに仕事を始めている船大工たちが見えた。
その中でいち早く私たちに気付いたのは昨日見た煙草青年。今も煙草をくわえたままこっちを見てる。その声に気付いた船大工たちが一斉に手を止めてこちらを見た。老いも若きも、そして...カクも、ロブ・ルッチも。

「彼女は一番ドッグ臨時事務員の――...」
「ライラ・アルセストと申します。えっと、不束者ですがよろしくお願いします」

ビジッと一定方向から強烈な視線を感じる。この視線は間違いなくロブ・ルッチからだと思う。

と、不意に気付いた。
こうなってしまったら双方共に探りは出来ても簡単に手出しは出来ない、邪魔でも消すことは出来ない。少なくとも彼は私をその手で殺すことなど出来なくなった、ということ。此処での私の関わりはガレーラのみ、つまり此処だけに絞られるから。
CP9には"そういう権限"があって"許される"けれど、今はまだ人知れず隠れて任務をこなしている途中。下手に動けば...内外関係者に全てが知られる、これまでの時間が水の泡となる。

少なくともそのことに気付いたロブ・ルッチは、無表情な仮面の下、煮え切らぬ思いを抱いているかもしれない。


BACK

(6/28)
[ 戻る付箋 ]

×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -