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地下室での報告会 (2/2)



ライラ・アルセスト 24歳 海軍本部少将
動物系希少種「ネコネコの実」モデル"白虎"の能力者、六式使い。

大将・青雉の推薦により10歳で入隊。そのまま青雉の下に就く。
12歳で海軍本部曹長となり、同年、中規模海賊団殲滅の功績を称え昇格、海軍本部准尉となる。
13歳から16歳まで中将・モンキー・D・ガープの部隊で活躍。18歳で海軍本部准佐となる。
准佐期間中、四皇"赤髪海賊団"に敗戦。自身の希望によりCP訓練所で修業を積む。
20歳で海軍本部に復帰。22歳で海軍本部准将に昇格。24歳現在、海軍本部少将となる。




「.........動いておったのは海軍じゃったか」

初めて見た時の目、それはおれと同じ実の波長から来るものだったんだと知る。
それから交えた一戦...CPで修行、六式を使いこなせるのであれば"指銃"を交わすだけの力もあったということ。軍は...ここまでの実力者を持ち出してまでおれたちの動向を探っていたということか。まァ、別のヤツが来ていたならばもっと早くに通信が途絶えたか情報が漏れたかしていただろうが。
大方、あの長官の的を得ない報告に疑問を持ってのことだと踏んでいるがそこそこ不愉快なものだ。

「あの童顔で指揮を執ってるとはなァ」
「童顔じゃからこそ馬鹿な部下は従うんじゃろ」
「セクハラよ。顔は関係ないわ」

おれらを調べる海軍...それだけ重要な任務には違いないんだろうが不愉快だ。

「じゃがこれで納得したわい」

フッとおれを見て笑うカク。

「ルッチが珍しく女の尻を追い掛けてた理由」
「.........何、」
「うっかり恋でもしてしもうたんかと思ってたとこじゃ」
「お前と一緒にするな」

誰があんな、舌打ちをすればカクが大袈裟に身を引いた。

「しかし、海軍が何故我々を...」
「現状把握のためじゃないかしら。私たちもコレに携わってもう長いわ」

5年だ。月日は5年も流れている。

「だったら堂々としても良いじゃろうて」
「普段から手を抜いてないかどうかの調査じゃないのか?」
「大方そんなところね。手を抜いてるのは長官だけだって上は知らないでしょうし」

そう、ウォーターセブンに借り出されたおれらは日々、変わりなくとも情報を長官に送っている。
交友関係から血縁関係からありとあらゆることを細かく調べては送信している。そして、それに関連する人物たちに関しても...抜かりは無い。調査するならどうしようもない長官を尋問すべきだ。あの、エニエス・ロビーにただ座ってる男を。

「でも...今件はもうすぐ終わるわ。彼女が海軍ならば確定ね」
「.........何?」
「彼女はあくまで臨時職員なのよ。もう任期が終わる。それに、」

そうか、女は臨時職員だった。随分馴染んだ所為かそのことを忘れていた。

「"彼"が年更新の正社員にしようとした時、困った顔してたの。調査はこの期間のみで間違いない」

そうか...任期が終わる。勝手に新たな契約は結べない。だから、あと少し。
ということは全てが元通りになるだけのこと。今まで通り、調査をしながら船大工として表向き仕事をする。慣れ合うだけの環境に身を投じ、顔色一つ変えずにただただ耐え忍ぶだけの生活を再び送る。たったそれだけなのに何故か妙な焦りを感じた。

「にしても、仕事面だけで言えば彼女はとても優秀だったから残念よ」
「確かに。女海兵ってのは単純に真面目なんじゃろうなァ」

何なのか説明も出来ない、焦り。
狙った獲物が逃げていく日が近づいてる所為か、殺すと決めておきながら殺せなくなるからか。

「.........どうしたの?ルッチ」

報告書内に書かれている文字をジッと眺め、考える。
わずか10歳で海軍に所属...かたやおれも似た経歴を持つがあの空気、あの様子で何故そうなる必要があったろうか。強さに固執した様子もなければ人を殺すことにも躊躇いを見せ、にも関わらず自分の命は二の次と言わんばかりの発言をした。おれとは相反する女海兵...

「.........何でもない」

妙な感情とも言い切れない何かを覚える。
このおれが、何を考えているのか何をどうしたいのか何が何なのか、突如として現れて消えていくだろう女の所為でおれが分からなくなっている。

こんなこと今までなかった。

「まァ調査に来ただけなら放っておいて問題は無いな」
「ええ。いつも通りにしておけばいいんじゃないかしら」
「そうじゃのう...って、それが結構難しいトコなんじゃけどなァ」

なァルッチ、とカクが振る。だが、おれはそれに対して返事が出来なかった。


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