小話 #04
「サッチ、サッチ」
きらきらした目がおれを見てる...
「サッチ!」
「ど、どうしたァ?」
「おうまさん、して!」
やっぱりか...
てか、何故おれを指名するんだ?馬になりそうなヤツいっぱいいるだろ!?とは言えねェけど。
「おうまさん、おうまさん!」
セトが子供たちを連れて来た日から何故かおれは馬になった。いや、馬の方が可愛がられてるんじゃねェか?っていうぐらい馬という名のオモチャになってる気がする。
特にシン。おれを見つけると無邪気な笑顔で駆け寄って来て「馬になれ」と言う。もっと別の遊びもあるはずなのに何故か馬...
「んー...サッチはちょっと疲れてるんだよねー」
「おうまさん...」
「えっと...ほら、エースとかビスタとか!そいつらに頼んだらどうかなァ?」
「いや!サッチがいい!」
お、おう......何故だ。
こう見えて、子供にも大人にも女性にも懐かれた試しのないおれが何故ここまで懐かれたんだ?何かフェロモンでも出てんのか?いや...シンは懐いてもエアは単体ではやって来ないから...そういうのじゃねェか。
「シンね!サッチだいすきなの!だからサッチがいい!」
「!!」
今日もまたおれは馬になった。
本編「はしゃいでいるのは新たな初孫」
好かれると嬉しいサッチ。
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