小話 #02
「花ってどんな花がいいんだ!?」
と、エースが真剣に聞いて来た。
用途不明の花、てっきりセトへのプレゼントにするもんだと思ってた。でも花なんて正直、オンナは受け取っても嬉しくないんじゃねェ?くらいの感覚だったもんだから他を当たれと話した。だが、その日は全く引かずに居たもんだから...
「あー...花屋に相談したらどうだい」
「それだ!!さすが年の甲!!」
.........ぶん殴ってやった。
で、町へ着いた。だが、エースは花を買いに行く様子は無く随分とそわそわしていた。その間にセトが町へ降りて行って...不思議な事にエースはそれを追わなかった。普段だったら隠れてでも追い、まるでストーカーのような奴だと言うのに、だ。
「行かなくていいのかいエース」
「い、今はいい!」
そわそわ落ち着きが無い。
ある意味でいつも通りではあるが...異様な光景にも見えた。
しばらくするとセトが戻って来て...
「行って来る!!」
入れ違いにエースが出掛けた。
滞在時間が限られてるっていうのに何やってんだ?と本気で思ったが......セトを見て納得した。あァ、そういう事かとも思ったし人に気遣える男になったんだと成長を喜んだ瞬間だった。
.........って事があったよい。
「.........え?何そのオチ無し」
「話下手だなァ。つーか、んな事あったかァ?」
「俺を見るな。お前の話だろ」
「エースはその時、墓に手向ける花を買いに行ってたんだよい」
「.........あの時の、」
「成長したなァって思えたよい」
「.........うっせェよ馬鹿マルコ」
あの日を振り返って
番外編「俺とキミたちとお前で」
きちんと考えていたエースで小話。
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