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だって君と一緒に居たくて



「馬子にも衣装ー」
「……コレじゃなかったら星になってるわよ仁王」
「おうおう、そう怖い顔しなさんな。冗談じゃけ」

そんなことどうだっていいのよ。てか、何で此処に仁王がポツンと居るわけ?
ポーチから携帯を取り出して時間を確認、ついでにやり取りをしたメールの内容も確認して。
時間は間違ってない。諸々の変更の案内も来てない。ってことは、まだ誰も来てないだけ…ってことよね?

「そうじゃ。そっちの待ち合わせの件じゃけど…」
「え?祐希に会ったの?」
「うんにゃ。ちゅうか…計画的犯行じゃ」
「うん?計画的、犯行?」

何ソレ。てか、着物って重過ぎる。立ってるだけで至るところに負荷が掛かるんですけど。

「笹川は柳生と一緒に違う神社におるけーのう」
「……はい?」
「俺はお前さんとお宮参りするために此処におる」
「え?意味不明なんだけど」
「……鈍いヤツ」

え?何ソレ。だって意味分かんないじゃん。
何で祐希と柳生くんの組み合わせが出来てるのか、私と仁王が一緒に居るのか…え?本当に意味分かんないわ。
だって昨日も連絡取ったんだよ?一緒に着物来ておみくじ引こう的な話したんだよ?で、わざわざ着物着せてもらって。

「笹川は密かに柳生に片想いしちょったんよ」
「……ええ!?」
「で、俺が二人のキューピッ――…」
「柳生くんに!?え、嘘、そんな話一回も!」
「じゃけー密かにって言っ――…」
「だったら私も俄然応援して色々仕掛けとかしたのに!」
「……人の話を聞け」

嘘嘘嘘!これって尋問&説教沙汰じゃん!何で私に話さず仁王なんかに相談してるわけ?
ちょっ、今から電話して……って、ダメじゃん!今、その噂の柳生くんと一緒なんだよね?だったら邪魔出来ないじゃん!

「くそ、祐希めー何で私じゃなくて仁王に!」
「いやいや、コレ持ち出したの俺じゃし」
「は?ボランティアで?」
「馬鹿言いなさんな。そこまでお人好しじゃないぜよ」

じゃあ何のつもりで、と言葉にするつもりだったけど、仁王が急に私の手引いて歩き出したから何も言えなかった。

「まあ、その辺のことに関してはお宮参りしてから話すなりー」
「なりーじゃないし!ちょっと!」
「キャンキャン鳴かんと黙って付いてくるなりー」
「だったら新年早々から喚かせないように説明しなさいよ!」


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