【リタイア】
「.........やっぱり無理!」
私は走った。ただただ走った。
もう怖いし怖いし怖いし、で走り出してすぐにエレベータの上ボタンを連打する。
さっき此処から降りて来たっていうのにエレベータは何故かB2に停まってた。
「ちょっと!早く!!」
もう離脱したい。早くお家に帰りたい。
そんな気持ちでいっぱいなのに未だエレベータは動かない。
仕方なくその横の緊急用非常階段の扉に手を掛けた瞬間、けたたましいサイレン音が響き始めた。
――被験者離脱、被験者離脱。至急確保せよ。繰り返す。被験者...
嘘!嘘嘘!どんなアトラクションよこれ!
慌てて扉を開けて上へと向かおうとした時、エレベータの間抜けなチンという音を聞いた。
今時、そんな音のエレベータなんて...と思って振り返った先には、
異様な出で立ちの「何か」が沢山フロアに放出されていて、
「本当にもう無理です!!!」
そう叫んだ時、ようやくサイレンも警告音も消えて、隠されていたらしい照明に灯りが点いた。
私の滞在記録は...15分弱。後々まで笑われる汚点記録となった。
★エンディングNo.01
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