【2F 左の部屋・物置】
……物置、かしら此処。色んな家具やらが丁寧に収められてるんですけど。
で、ちょっと悪趣味な宝物的な?並べられた彫刻、絵画なんか本気で怖いですわ。
何て言ったらいいか、そう、音楽室の肖像画とか美術室の作品たちが一斉にこっちを見てるような――…
「オイ」
「ぎゃあ!!」
「っ…うるさいのが来ましたね」
ビックリしすぎて声が大になっちゃったわよ。てか、うっさくなったのは驚かしたアンタたちの所為…って、
何だ宍戸と日吉じゃん驚かすなよ……ん?なーんか、二人とも異様にモッコモコ着膨れしてるなあ。服はまあ他所行きだけど。
でもそんな着膨れよりも遥かに気になる点があるわね。
「……ねえ」
「何だよ」
「ソレ、何」
普通っちゃ普通の格好をしてる宍戸だけど、なーんか違和感のあるアクセが付いてる。
ほら、今年流行りのファーのアクセ。腰のとこからブラ下げて「あらやだ可愛い」みたいなの。それが付いてる…
「ついでに突っ込むけどアンタ」
「……俺、ですか?」
「そうよ。何、その髪からふわりと出たヤツ」
ファーアクセ宍戸よりも更に違和感があるのは日吉の方。
こっちはしれっとカチューシャでも付けてんのかな?サラサラヘアーの隙間から猫耳出てる…
二人ともアレか?女性受け狙いで可愛さアピールでもしてんのかな?いや、彼らに限ってそれは…ねえ。
色々考えるけど肝心な二人からは何の言葉も返って来ない。と、なると――…
日吉の猫耳カチューシャを触る。
宍戸のファーアクセを引っ張る。