魔女っ娘スタイルのブン太先輩…
あれだけ怒れてもまだお菓子食べて、しかもゴミポイしまくり。
この人はホントどうしようもない人だわ。
何処で何をさせてもコレが基本形ってヤツなのね。
「また柳生先輩に怒られますよ…?」
「食べれる時に食べとけ、これが基本だろぃ」
つまりは、自己中ワガママ本位っていうコトですね…
いつも傍にいるジャッカル先輩が哀れでならないです。
ブン太先輩がこれだから真田副部長も、柳生先輩も、柳先輩も、
みんなジャッカル先輩にヤツ当たりとも言える様な仕打ちを…
「それで生活出来る環境が素晴らしいと思います…」
私の言葉に首を傾げたブン太先輩。
そろそろジャッカル先輩の存在の有難みを知るべきでは?
そう思いながらも、うまうまお菓子を食べている彼に何も言えなかった。
包帯セクシー姿の彼に かぼちゃ服の彼に 玄関ホールへ戻る地道に片づけをしているジャッカル先輩の背中。
あまりにも日常的な光景で、だけど着ている服の柄はイタダケない。
カボチャ色にカボチャちっくな柄の…スーツ、かな?
似合うと言えば似合うけども、私だったなら罰ゲームでも着たくない。
「先輩も大変ですよね…」
思わず、同情してしまう。
まるで母親のようですよ、子育てにやつれた母親。
彼の子守は本当に大変だと思います。いつもそう思ってますから。
「そう思うなら手伝えよ」
「ええ?私が、ですか?」
「ホラ」
手渡されたのは…大きなゴミ袋、燃えるゴミ用大だった。
余計な一言を吐いたがために私もゴミ掃除をするハメに…
拾っている横でブン太先輩が散らかしていることも知らずに。
包帯セクシー姿の彼に 帽子に杖の彼に 玄関ホールへ戻る玄関ホールには未だ執事だという真田副部長の姿。
やっぱり洋風な服よりも和服の方が似合うと思うんですが…
「あの…」
「まだ晩餐の準備は整っておりません」
機会ちっくな真田副部長に思わず、身震いがしてしまった。
こんなロボットが売られていたならば…絶対に買わない!
小うるさそうだし、見張られているカンジが本当に…
「どうぞ、ご自由に屋敷をお回り下さい」
「…回れ、と、ですか?」
「それが嫌ならば、私と――」
"私"なんて真田副部長の口から出てくるなんて!
しかも、副部長と何が出来ますか?貴方と共に行動なんて…!
無理無理!完全に無理ですから!ホントに無理ですから!
あまりの嫌さに私はそそくさと次の部屋を選んだ。
1F 右の部屋へ 1F 左の部屋へ 1F 大広間へ 2F 奥の部屋へ「失礼しまーす」
薄暗い部屋、ホールとは全然違う明るさに少し恐怖。
ただでさえボロい屋敷で、真田副部長がアレで恐ろしいのに。
「ど、どなたもいらっしゃいませんよね…?」
「おるぜよ」
部屋の奥から響く声、ヌーッと暗い影が落ちて…
まだ足を踏み入れてない部屋へポンッと背を押された。
バタン、と扉が閉じた途端に明るさはゼロになる。
暗いトコ恐怖症ではないけど…今、この場は怖すぎです。
「光は好かん。いつまでも開けるな」
暗がりで見た声の主は仁王先輩。
昼寝の途中だったのか、大きな欠伸なんかしてる。
うーん…この場合はどうすれば良いのかな?声、掛けるべき?
仁王に声を掛ける 声を掛けずに玄関ホールへ「ね、寝てたんですか?こんなトコで…」
「何か文句でもあるんか?」
「い、いえ…」
口を大きく開いて欠伸なんかして…って牙、生えてません?
八重歯とかのレベルは遥かに超えてますが?
うーん。こんなに歯並び悪かったかな…仁王先輩って。
「何じゃ、そうジロジロ見るな」
あ…そう言えば、ブン太先輩が言ってたっけ。
"仁王の寝起きは至上最強かつ至上最悪"って。
見るからに不機嫌そうな顔だし、血色も悪い。
今まさに私はヤバいところに出くわしたのでは…?
……逃げましょう。ダッシュで!
「し、失礼しました…!」
「おー…」
玄関ホールへ戻るしれっとクルーリ回転&脱出…を目論む。
機嫌の悪そうな仁王先輩を相手にするなんて不可能ですから。
「何処へ行く気じゃ?」
「ヒッ!」
「挨拶ナシで逃げる気じゃろ?」
ピシピシッと走る緊張感、そして凄まじい威圧感。
クルーリ振り返れば、血色の悪そうな仁王先輩の顔…
「そういや、まだ飯食うとらんのぅ…」
「ひ、ヒィ――」
大きく開いた口が迫って食べられる寸前、視界が開けた。
寝汗を沢山掻いて起きた私、夢オチにしてはリアルで…
ふと見たカレンダー。その日付は…10月31日。
「ま、まさか…ねぇ」
★エンディング2/3
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