同じならいいのに (2/2)
「ナイスフォロー、とでも言っておこうか?」
笑って、今日も自分を誤魔化していく。
誰も気付かないところで私という存在は押し潰されて、ガラガラ崩れていく。
他人だったら良かったのに、妹があの子でなかったならば...良かった。
そう、いつも思っている。そう、いつでも思っている。
「さて、差し入れもなくなったことだし...練習を再開するよ」
パンパンと手を叩いて、皆を練習に促す幸村。
ゆきが持って来た差し入れはカラになっていて、いつも私がゴミを処分する。
袋には色鮮やかなクッキーが入っていたと思う。だけど、今残っているのは砕けたクッキーの破片のみ。
バラバラになって粉が少し固まっただけの残骸は...まるで私のよう。
何処で間違えたのか、何処で取り違えてしまったのか、私はゆきの破片のよう。
似ても似つかぬ私と彼女は、それでも血を分けた姉妹で、それでも同じ日に生まれた双子で。
やること、なすこと、全てにおいて私よりもゆき。比較した挙句にゆきへ。
より悲観的に、より自虐的になっていく自分を抑え付けて...誰でもいいから。
誰が悪いわけでもないと知りながら、ゆきが悪いわけでもないと知りながら...
実の妹を、全く違う自分の半身を憎む私は、誰よりも惨めで小さく、最低なヤツなんです。
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