何千回、何万回と祈ったとしても叶わないこの恋に僕はいつの間にか“欲”というものを忘れてしまったようだ。あらゆる欲で溢れていた心も穏やかになり、ある程度の距離からその笑顔を見れるだけで十分だ、と思うようになったのだ。一種の諦めなのかもしれない。ただ、それによって僕は大分“彼ら”を微笑ましく見れるようになった。あの頃は胸が痛いだけだったからね。僕の心境の変化に微塵も気づいていない彼女は、変わらず僕らと笑い、喜び、時として泣く。そんな時間さえも僕にとっては幸せで、すごく嬉しいよ。気付かれないようにそっと繋がれた彼女と彼の手を横目に、僕はいつものように笑うのだった。






そして、いつかはこの恋心も消えて
(ちゃんと忘れられたらいい)







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