なんか、嫌になった。
私を取り巻く全てが気に入らなくて上手くいかなくて、自暴自棄になった。
でも、そんな自分が一番嫌で。
誰も悪くない。皆楽しくて良い人ばっかり。
ただ、そんな皆の中でぼんやり灰色の私がどうしようもなく嫌になった。
そう思い始めたら悶々としてきてしまった。それだけだ。
きっと皆は私の様子に気付かないフリをしてくれてる。
だけどその優しさが今の私には痛かった。
学校が終わると、部活にも出ずに真っ直ぐ寮へ帰った。
部屋でご飯も食べずにただただボーッとしていた。
明日にはいつもの私に戻れてるかな…。
「橘君……?」
携帯が光り、画面に映ったのは珍しい彼からの着信の知らせだった。
「…もしもし」
『もしもし。俺、橘だけど』
「うん。どうしたの?」
『いやー…なんていうか…今日お前変だったから気になってさ!』
「ああ…ごめんね。大丈夫だよ」
『苗字はあんま自分が悩んでるとか知られたくなさそうな感じだよな』
「…」
『でもやっぱそういうのって吐き出したほうがいいと思うんだ俺!』
「大丈夫、だよ」
『無理に、とは言わない。
ただほんとに辛くなったら誰でもいいから、俺だっていいから話してくれよな!』
なんで彼がこんなに私を励まそうとしてるのかわからない。
だけどそんな彼の言葉に涙が止まらなかった。
『俺電話苦手だから手短に済ませたかったんだけど…』
「き、切ろう、か…?」
『いやいやいやいや!泣かせたまま切れないだろー!』
―辛いときは俺に言えよな―
(電話越しの言葉、温かかった)
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つ、続くんです…!
他の彼らも続く感じなんですが
やっぱり分かりにくい…かな…