星月学園に入ってクラスの人とも打ち解けられてきた今日この頃。
ただ一人、会話をしたことがない人がいる。
―――柑子修吾君。
彼にはオーラというか…雰囲気が警戒してるみたいでなかなか声を掛けられずにいる。
その柑子君と、今教室で二人きりである。
柑子君が週番で残っているときに私が忘れ物を取りに来たからだ。
気まずい沈黙の中、自席から課題を取り出す。
ふと聞こえた音に、柑子君を見れば、
カチカチカチカチカチカチカチカチカチ…
「…」
「…」
シャーペンを黙々と押していた。
あれだけ押すということは、芯が無いわけで。
あ、ちょっと眉間に皺が…
私は鞄からシャーペンの芯を取り出し、柑子君へ差し出した。
「こ、これ、良かったら…」
「あ、苗字さんか」
名前覚えてもらえてる…!良かった!
柑子君は芯を入れ、シャーペンの先から出たのを確認すると、笑顔を向けた。
「別に頼んでないんだけどさ」
「はい?」
「一応礼を言うよ」
ありがとう、だなんてそんなの信じられないよ
―別に頼んでないけど、一応ありがとう―
(爽やかに言われても)
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柑子君は意地悪い・腹黒い←
捏造です←