小腹が空いた、と鞄からチョコを取り出す。
期間限定の文字とイチゴのデザインに惹かれ購入したものだ。
弱いんだよね、期間限定とか新製品とか。
「あれ。チョコの匂いする」
僕の後ろから現れた彼女は、「イチゴだね」と箱を手に取り眺める。
「パッケージ凄く可愛いね」
「そうだね。まあ僕は期間限定の文字に惹かれたんだけど」
「あ、それわかるー!でも、なんか…あはは」
「え、何がそんなにおかしいの?」
「いや…なんか柿野君らしいなーって思っちゃって。お菓子とかイチゴとか」
えへへ、と笑う彼女を座っている僕は見上げ、チョコを一つ取りだした。
包みを開け、差し出すと彼女はキョトンとした顔で長い睫毛を上下させた。
「くれるの?」
「そんな物欲しそうな顔されたらあげるしかないよ」
「し、してないよ!」
「はいはい。ほら、あーん」
「えっ」
彼女は戸惑いを見せたものの、「溶けちゃうから」と言うと躊躇いがちに口を開いた。
チョコを入れる瞬間、彼女の唇に触れてしまい、お互いにフリーズすること数秒。
「あ、ありがとうね!美味しいねっ」
「え、あ、うん。」
自席に彼女が戻った後、溶けて指に付いたチョコを遠慮がちに舐め取った。
「……甘い」
―僕がお菓子好きだとそんなにおかしい?―
(次のも、期間限定にしようかな)
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名前変換無くてすいません…!
柿野君は抹茶よりイチゴとか好きそう