地面から見上げた空には無数の星が輝き、もうこんな時間か、とぼーっと考える。
陽の暮れ際、天人に傷を負わされた。その天人に関してはたたき切ってやったのだが、出血の多さに朦朧とし、森の中へ身を潜めた。
(これは、やばいなあ………)
実を言うと、今日の戦ではかなり体力を使い、起き上がるのも困難だった。負傷した左肩も、血は止まったものの、痛みが引くことは無かった。
(銀時たち、今頃探し回って…)
段々と眠気を感じ、ここで眠ったら死ぬ、と必死に意識を保って来たが、その限界も近いようだ。
(呆気ない死に様だなあ)
(独りぼっちで、とか寂しい)
(皆、泣いてくれるかな)
(晋助も辰馬もヅラも)
(銀時も、)
『ぜってー死ぬんじゃねェぞ。お前が死んだら、俺も死ぬから』
(あたしが死んだら、銀時まで死ぬのか)
「銀時まで死んだら駄目でしょ…」
小さく空笑いした。ついでに涙が伝った。
「ごめん…、銀時…」
「死なねェよ。俺も、お前も」
愛しい声が聞こえた。薄く目を開けると月明りで映えた銀髪。
「ぎ…んとき……」
「ったくよォ」
彼の手が頬に触れ、涙の跡を拭うと私の体を抱え、ゆっくりと立ち上がった。
「……阿呆。死なせねェっの」
―掠れた声で名前を呼んだ―
(こんなとこなんかでお前を)
お題提供:
雲の空耳と独り言+α様