ジャンルカと初めて出会った時の事を思い出した。今思えばすごく懐かしいようなあまり懐かしくないような、どちらともいえない。仲良くなれば馴れ初めが一体どんなものだったかなんて忘れてしまう。
「何でずっと見てるの?オレの顔かわいい?」
「かわいいとは思わないな」
「むっ!あ、お前もフィディオの友達なんだろ?オレはマルコ!よろしくなジャンルカ」
「ああ…」
通った鼻筋と切れ長だけど下がった目尻。空みたいな瞳で、オレは気がつけばジャンルカを目で追いかけるようになっていた。
後日、無事代表に選抜されたオレは一目散にジャンルカを探す。いた。良かった。ジャンルカも選抜されてる。
「ジャンルカ!おめでとう!これからは一緒に頑張ろうな!」
ニカッと笑ってジャンルカの背中をポンと叩いてやった。ポジションは違うけれどチームは同じだから練習は一緒に出来る。そう思うと楽しみが増えた。
「…」
「?何だよ黙ってないで何か言おうぜ?」
「この前言ったこと、訂正する」
「へ?何か言ったっけ?」
「やっぱり、かわいいよ」
「へっ…!???」
クスッと笑うジャンルカにドキドキした。あんなの反則だ。あと木陰でニヤニヤと笑うフィディオを睨みつけながらもオレはジャンルカの後を追った。
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初めて会った時の。
お互い一目惚れだけども気持ちは隠すという