※リトルギガント戦後の。







全く歯がたたなかった、完敗だ。恥ずかしい。自分が満足行くプレーは出来ただろうか。そう考えると後悔の渦が襲ってくる。

FFI準決勝、コトアール代表リトルギガントに無様な負け方をしてしまったんだ。
油断していたわけじゃない、こちらだって全力で挑んだつもりだった。でも結果に現れた数字は酷いもので、やっぱり油断していたのかもしれない。


「おい」

「…ジャンルカ…?」

「泣いてるのか?子どもじゃないんだし、試合に負けたくらいでメソメソするなよ…」

「、そういうお前だって…!!情けない表情してんじゃねーよ!」

「…そうだよな…情けない…」

「決勝戦、…行けると思ったのに…」


ギュッと手のひらを、爪が食い込むくらい握り締めて、歯も噛み締めて未だに溢れ出る涙をグッと堪えた。みんな一緒に頑張ったのだから気持ちはみんな一緒のはず。悔しいのはオレだけじゃない。
オルフェウスのメンバーはボロボロな体のまま、控え室の椅子に座って何も喋らない。喋れる状態ではなかった。試合が本当に一瞬すぎて、何が起こったのか把握しきれていない。


「試合で何も出来なかった事とか、うまくいかなかった事とかたくさんありすぎて頭がパンクしそうだけど…」

「オレだって一緒さ…でも、あいつは多分違うだろうな…」


そう言って視線を変えた先にはフィディオの姿があった。
キャプテンマークを握り締めて、綺麗な青色の瞳は、ただ絶望の色に変わっている。

どうしてだろう。いつも凛としているフィディオがやけに小さく感じた。何て声をかけたらいいのかわからないけれど、体は勝手に動き出してフィディオへと向かう。無言のままフィディオを抱きしめると、ジャンルカもオレの反対側からフィディオを抱きしめる。

そして三人で、枯れるくらいの涙を流した。


「Grazie、マルコ…、っ、ジャンルカ、……キャプテン、」



ごめんなさい。
声にならない小ささでそっと呟いた。






*****
なんかやっぱり最後は二人がフィディオ抱きしめてあげるとかそういう妄想から出来上がったけど何か酷い。


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